装甲貫通力の算定方法に関する改良

 

『War Thunder』では、弾薬構成においての設定の開発と改良を継続して行っています。弾薬を設定する様々な工程では、実際にその弾薬が
使用されている国の資料や、『War Thunder』で使用されている様々な弾薬のデータを含んだ統合資料を使用しています。そのため、私たちが考える上でプレイヤーの皆さまが簡単にこの設定を理解することができる最善策として、計算式に基づいて弾薬を設定することにしました。
計算式により装甲貫通システムを標準化することが可能であり、同じ弾薬なのに、様々な国の資料には異なる装甲貫通のデータが含まれている、といった状況を回避することができます。また、この計算式があることで、一部のデータが利用できなかった際に、より現実的で、より効果的な弾薬の設定を行うことができます。



『War Thunder』では常に装甲貫通システムの改良を行っており、現在、装甲貫通システムの改良の開発において明確となった2つの工程があり、その各段階が、それぞれの方法で公平かつ正確なものとなっています。

1つ目の工程では、資料や、各武器、弾薬の種類の射撃データに基づく貫通設定を行います。この工程では、該当の弾薬が使用されている国の資料が優先的に使用されます。

2つ目の工程では、「統一化」されたシステムへの切り替えが行われ、各国ごとに1つの収集された数値データを基に作成されています。
この数値データにより、様々な資料と国のデータを、ある程度照合することが可能です。

しかし、これらの工程では、装甲貫通システムを統一化することや、記録や技術基盤を維持しながら、プレイヤーの皆さまが理解できるものにすることができませんでした。また、これらの設定方法は、頻繁に様々な資料が矛盾するデータとが次々と現れる、特異な「綱引き」のような状況を
引き起こし易くしています。長期に渡る詳細な分析を行った後に、現在の装甲貫通システムを改良し、理解し易いものにすることにしました。
これは、弾道学や、ダメージモデルの果てしない過程において、重要な一歩となります。

 


『War Thunder』の弾薬や装甲貫通の詳細は、War Thunder Wikiにて確認することができます(※リンク先は英語表記です)。



DeMarrとLanz-Odermattの式

皆さまはすでにお気付きかもしれませんが、『War Thunder』には最近いくつかの変更が追加され、この変更には、大口径の装甲貫通用弾薬の弾道設定値においての改良が含まれています。改良を行うために、各弾薬の射程距離での降下速度をより適切に設定できる、射撃表やその他の資料を
使用しました。何らかの理由で正確なデータが無かった弾薬に関しては、表の中で類似した設計や特徴を持つ弾薬の設定を利用しました。
速度に関してより正確なデータを入手したことにより、数式を基本とした計算を使用している貫通システムを再度見直すことができました。
そして、大口径の装甲貫通弾(AP/APC/APBC/APCBC)(※リンク先は英語表記です)と、縮射口径装甲貫通弾(APCR/HVAP)に関しては最も
使用や理解が容易である、DeMarrの式を使用することにしました。また、装弾筒付翼安定サブキャリバー弾(減口径弾)に関しては、Lanz-Odermattの式
(※リンク先は英語表記です)を使用しています。ここで述べられた弾薬の種類の情報の後に、これらの計算式について説明します。

装甲貫通を計算するためのシステムにおける新機能の1つには、弾薬に爆薬が込められた薬室が入っている場合に、それを計算に反映するという
機能があります。弾薬内に込められている爆薬の割合により、装甲貫通測定数の数字が変わり、弾薬の重量に対して爆薬の割合いが高ければ
高いほど、装甲貫通能力は低くなります。これにより、大量に爆薬を含み、比較的細身の半徹甲弾と徹甲榴弾の測定値をより適切に使用することが可能になります。

装甲貫通能力を計算するこのシステムの実装は、段階的に行われます。まず初めに、大口径の徹甲弾や装弾筒付翼安定徹甲弾などの、より一般的に使用されている弾薬をこのシステムを適用させることからこの工程を開始します。次に、縮射口径装甲貫通弾(APCR/HVAP)や、装弾筒付徹甲弾(APDS)をシステムに反映させます。縮射口径装甲貫通弾(APCR/HVAP)や装弾筒付徹甲弾(APDS)の計算にはいくつか困難な点があり、
特定の弾薬においては、旧式の装甲貫通システムを使用することがあります。『War Thunder』で使用できる弾薬の中では、これらは少数であり、 L15A3/A5やM728が例として挙げられます。

この計算はどのように『War Thunder』を改善しますか?


これにより、装甲貫通システムを最大限に利用することが可能であり、これを全ての大口径の弾薬 (APCR/HVAP)で統一することができます。
また、これらの資料は、多様なシステムや貫通の方法論により管理されているため、多様な資料や国家のデータが矛盾するという状況を避けることも可能です。新しいシステムにより、リアリズムを犠牲にすることなく、プレイヤーの皆さまにとってより明白で、理解し易いものになると
思います(例としては、AaGにおける計算がそうであるように、ソ連の射撃表の貫通に関するデータが、同じDeMarrの式を使用することが挙げられます)。しかし、もう1つの長所は、砲初速や、降下速度、重量の情報がある、全ての大口径の貫通弾や縮射口径装甲貫通弾(APCR/HVAP)の
貫通能力のデータを、即座に入手できるということです。また、AP/APC/APBC/APCBC弾に関する斜角効果(現在の数値に均一性を持たせるために、またいくつかの間違いを取り除くために式を利用した計算を行う場合、斜角が増加するにつれて、貫通できる装甲の厚さが半減する効果
(スロープ効果)の再計算も行いました。下記の例で確認できる通り、30度の入射角の現在の数値と比較して、貫通能力は上昇し、反対に、
60度の場合、貫通能力は低下します。私たちの評価によれば、戦車の配置を適切に行った場合(例:戦車の適切な発砲位置)、弾薬の貫通能力は
上昇します。 この表を使用することでAP/APBC/APCBCのスロープ効果の計算式と、計算後のスロープ効果の数値について学ぶことが可能です
(※リンク先は英語表記です)。

APCR/HVAPとAPDS弾には、貫通過程に影響を与える弾薬の構造の技術的特徴をより正確に計算に入れることを可能にする、スロープ効果を
追加する予定です。APCR/HVAPに関しては、APHE弾やAPDS弾の設定を基準に、速度減少の測定値を確実なものにします。新システムは、
非常にシンプルかつ生産的であるため、弾薬の個々の特性を知っていれば、DeMarrの式を利用し、自分で貫通能力を計算することができます。


「歴史的正確さ」と射撃データとの一致に関して、皆さまが抱くであろう疑問を考えれば、装甲貫通の数値を計算するために使用されたデータは、実在する資料に基づくものであり、珍しいものではないということを言っておく必要があります。歴史的、技術的な正確さは、依然として
『War Thunder』の重要な部分の1つのままですが、現実に存在するするものを正確にゲーム環境に反映することはできないため、
『War Thunder』で使用される数値には、ある程度の慣例が考慮されています。




The War Thunder Team