新サウンドスケープツール




皆さまは、私たちが昨年末より、『War Thunder』から新しいFmod Studioのサウンドエンジンへの移行に懸命に取り組んできたことをご存知でしょう。ゲームは常に進化を続けており、グラフィックスの向上、新しい技術の登場、そしてサウンドについても進化しています。過去1年半に渡り、広範囲にわたる音響作業を行いました。航空機のエンジン音を根本からすべて作り直し、プレイヤーの視野角に合うように調節しました。
前方、側方、後方からの航空機のサウンドがそれぞれ異なって聞こえるようにしたことで、飛行におけるサウンドイメージに間違いなく良い影響を与え、より現実の音に近づきました。そして同様に、航空機や地上車両における銃のサウンドも、戦車のエンジン音と同様に作り直しました。
それに加えて、戦車の砲撃音を、戦車が置かれている地形に影響するように調整しました。これらは、過去1年半から2年に渡って行われた、
サウンド改善における結果のほんの一部にすぎません。私たちのウェブサイトにて行われていた投票の結果から分かるように、これらすべての変更は、プレイヤーの皆さまの積極的な投票によって決定されました。そして、今後とも私たちは『War Thunder』のフォーラムに目を通し、
プレイヤーの皆さまのサウンドに関するご要望を、把握し続けていきたいと思っています。
中にはソーシャルネットワーク上の個人的なメッセージやEメールを通じて、ご要望や批評を丁寧にお送りいただいている方もおられます。
本当にありがとうございます!

これらすべての改善を実装する過程の中で、昔から導入され、数年前にカスタマーサポートが廃止された旧型のFmod Exサウンドエンジンに
限界が訪れており、それに伴い私た訪れちの可能性にも限度が生じていることに気づき始めました。
そのため、すべてのサウンドを新しいFmod Studioサウンドエンジンに移行することが決定しました。
これにより、移行段階で特定数の新機能の導入が可能となり、古いサウンドエンジンの機能に起因する不具合を除去することができ、
メモリの負荷を軽減することができました。その結果、サウンドピクチャーの「安定性」に良い影響を与えるだけではなく、
最も重要である、今後のサウンド改革においての十分な可能性を秘めています。

 

興味深い事実:『War Thunder』の非圧縮音源には、合計約20ギガバイトにもなる、82,000以上のファイルが含まれています!


ファイルの移行は非常に困難でした。『War Thunder』の非圧縮音源には、合計約20ギガバイトにもなる、82,000以上のファイルが含まれており、これらすべてを新しいプロジェクトに移行する必要がありました。Fmod Studioが古いバージョンからプロジェクトを取り込むことを可能にしましたが、古いバージョンでは今回の新しいバージョンでは実装されていなかったエフェクトやコントローラーが実装されていたため、結果として生じた音事象全てを手動で確認する必要がありました。また、これらすべてがPC以外の、他のプラットフォームでも適切に動作することを確認する必要がありましたが、ようやくこの作業も完了の時を迎えました。

サウンドMODの愛好家には、良いニュースと悪いニュースがあります。悪いニュースとは、完全に新しいFmod Studioのデータ形式により、
以前のバージョンで作成されたサウンドMODはアップデート1.91では機能しなくなります。しかし、アップデート1.91のリリースに伴い、
MODクリエイターの皆さまに向けて、ゲームのサウンド資産である音源ファイルを共有できる予定ですので、お見逃しなく。



新しいオーディオエンジンは、さらなる改善のための素晴らしい基礎を有しています。
将来的には、現代の業界基準(HDRA、バイノーラルサウンドや物体のオクルージョンなど)に従い、
ゲームのサウンド設計における機能の拡張が可能となります。

以前のバージョンと比較したとき、下記の点を改良しました:

  • サウンドオブジェクトのポジショニングの精度を向上しました。
  • 相互に影響するサウンドグループを複数導入したため、混合音の細部まで聞こえるようになりました。
    例として、近くで爆発が起こると、他のサウンドのボリュームが爆発音のボリュームに比例して減少します。
  • この新しいサウンドエンジンが持つより高度な機能は、ゲームオブジェクトが作り出す多くのサウンド(爆発、航空機のエンジン、銃声)の聞こえる範囲を拡大します。
  • リアルタイムで音を処理する迫力があり多様なツールキットにより、サウンドはゲーム内のパラメーター(可聴範囲、視野角、
    エンジン回転数等)に応じてダイナミックに変化します。
  • 以前は、ゲームエンジン上にサウンド環境を形成するためのロジックの一部が置かれていました。
    現在では、ゲーム全体の最適化と安定性にプラスの影響をもたらすオーディオエンジンに移行しています。
  • 新しいオーディオエンジンのサウンドコンテンツの圧縮およびデコードアルゴリズムが改善されたことにより、
    RAMの消費量を削減できます。これは、ゲーム全体の安定性にもプラスの影響を与えます。

  • サウンドに関する変更は以上となります。私たちは、『War Thunder』サウンドに関する継続的かつ建設的な批評を必要としており、プレイヤーの皆さまのご意見に対し、非常に感謝しております。『War Thunder』のフォーラムにて、プレイヤーの皆さまのご意見やご質問を共有しましょう!



    The War Thunder Team