ニュース

解説
SARH(セミアクティブ・レーダー・ホーミング)空対空ミサイル 2020-09-25 06:00

 

大型アップデート「レイニングファイア(Raining Fire)」では、
SARH(semi-active radar homing:セミアクティブ・レーダー・ホーミング)弾頭を搭載した空対空誘導ミサイルという、
全く新しいハイテク兵装を『War Thunder』に追加しました。
今回は、『War Thunder』の経験豊富なベテラン兵の皆さまのために特別に設計された新兵装のハードウェアについてご紹介します。


 

どのようなミサイルですか?


新しいSARHミサイルは、プレイヤーが操縦する航空機のレーダーから継続的に発信され、目標から反射される信号で作動します。
この技術は、熱を探知する赤外線誘導装置よりも様々な利点を兵装にもたらします。
まず、SARHミサイルはほぼ全方位に対する能力を有しており、プレイヤーは事実上どの方向からでも敵と交戦することができます。
敵の正面で爆発させることも可能で、これは赤外線誘導ミサイルでは不可能です。
これと同様の理由で、SARHミサイルは射程距離も大幅に拡大しており、
航空機のレーダー範囲とミサイルの追尾装置の感度にしかこの射程距離は制限されません。
そして多くの場合、この射程距離は目標を視認できる距離を上回ります!
さらに、SARHミサイルは太陽の影響を受けないため、雲に覆われた悪天候でも発射することができます。


非常に優秀ではありますが、これが究極の兵装ではないということを忘れてはなりません。
第一に、ミサイルが命中するまではレーダーで目標を継続的に追跡する必要があるため、航空機の急な操縦は一切捨てなければなりません。
第二に、セミアクティブ・ホーミング弾頭はグラウンドクラッター(地表から反射される信号)によって撹乱される可能性もあるため、
ミサイルを発射し目標へ誘導する時はこれを考慮する必要があります。
そして、敵機がRWR(Radar Warning Receiver:レーダー警報受信機)を搭載している場合、
レーダーの照射を検出されてしまいミサイルの存在に気づかれる可能性もあります。


このミサイルはどのように発射されますか?



SARHミサイルは、パイロットの視界外にある目標を捕捉できるため、パイロットが目標までの距離を推定するのは困難かもしれません。
この種類の兵装には、特定の使用範囲または発射領域があり、これはプレイヤーおよび目標の目下の動作パラメーターを前提とした、
ミサイルの最小射程と最大射程間の距離として定義されます。
この範囲は、ミサイルモデル毎に厳密に個別化されており、技術的な特性によって異なります。


最小射程距離は、下記パラメーターの影響を受けます:


  • ミサイルが目標の追尾を開始するまでの時間
     (例えば、R-3Rでは0.5秒、AIM-7D/Eでは約2秒となります。)
  • ミサイルの発射後、信管が起動するまでに必要な時間
  • 各ミサイルモデルが有する固有の旋回率
     (例えば、敵がプレイヤーの航空機へ向かって、または離れるように一直線に飛行している場合、ミサイルの操作における時間ウィンドウは最小になりますが、敵の航空機が移動している軌道がプレイヤーの軌道に対して垂直であれば、時間ウィンドウは最大となります。)

  • 同様に、各ミサイルには下記の影響を受ける最大射程距離があります:


  • 空気力学、モーターの推力、ミサイルの燃焼時間
  • プレイヤーの航空機が飛行している高度
     ※高度が高いほど射程距離が拡大します。
  • 敵の航空機が飛行している高度
     ※敵の高度が高いほどプレイヤーのミサイルの射程距離は縮小します。
  • プレイヤーと敵の航空機の速度、および敵の航空機がプレイヤーに対して飛行している時の角度
     ※敵がプレイヤーから離れるように飛行している場合、最大射程距離は大幅に縮小します。

  • 兵装の制御システムは上記の全パラメーターを計算し、プレイヤーが潜在的な発射領域を識別するために役立ちます。
    射程範囲の最小値と最大値は、Bスコープ(直交座標系)を使用している場合はインジケーターの右側に小さなマークで表示され、
    極座標系を使用している場合は円弧で表示されます。



    さらに、パイロットは目標の速度ベクトルが表示されるインジケーターを自由に使用することができ、
    捕捉された目標を示す四角形のすぐ下に表示されます。
    目標の速度ベクトルが変わった場合、水平線はその速度を、垂直線はプレイヤーに対する移動方向を示し、
    目標との距離に応じて四角形が上下します。


    しかし、この「知的な」兵装がすべての困難な作業をこなすわけではありません。
    ミサイルの発射後に目標が速度や方向を変えた場合は命中しないこともあり、
    目標の追跡中にグラウンドクラッターによって撹乱されることもあります。
    このような状況は、プレイヤーが水平線より下方に位置する目標に対して信号を照射している時に発生する可能性があり、
    これによって電波が地面から反射され、追尾装置が目標を追跡できなくなります。
    さらに、低高度でのミサイル発射はこの現象のリスクをより高めることになり、航空機のレーダーが放つサイドローブとミサイルの追尾装置が
    地面で反射された全方位からの信号を受信してしまうため、ミサイルが目標を見失ってしまいます。
    これらの問題に遭遇しないよう、SARHミサイルは捕捉した目標の下方から発射することを心掛けましょう。


    SARHはどのように目標へ照準を合わせますか?



    赤外線誘導ミサイルとは異なり、セミアクティブ無線追尾装置を備えたミサイルは目標を捕捉、
    追尾して距離および速度の追跡を維持します。ミサイルは地面や水面から反射する放出の一部を無視し、
    これと同時に反射した無線信号を取得可能な範囲内にいる他の目標に気を取られることもありません。
    追尾装置は、パルス信号でも連続波信号でも同じように操作することが可能です。
    しかし、目標に対して照準を合わせる方法はミサイルによって僅かに異なるため、
    SARHミサイルを最大限に活用するために事前に研究しておくことが大切です。


    パルス放出によって敵を爆撃する場合、誘導弾頭は距離に応じて目標に照準を合わせます。
    R-3RやマトラR.530など、他の一部のミサイルはこの方法を採用しています。
    この方法において、パイロットは他の可能性のある目標やミサイルが捕捉している目標までの距離とは異なる距離で反射される地面からの
    寄生信号の反射を無視し、自身が望む目標に対してミサイルを発射することができます。
    これに加えて、ミサイルを発射する前に目標を選択して捕捉することができます。パルスモードでSARH弾頭を展開する場合には、
    水平線より下方にいる目標や低高度の目標を捕捉すると問題が発生する可能性がある、ということを忘れてはなりません。
    完璧に捕捉するためには、目標となる敵が中高度または高高度に位置するだけでなく、
    プレイヤーの水平線上またはプレイヤーより上空にいる場合に限ります。
    プレイヤーが操縦する航空機の飛行高度よりもプレイヤーと目標間の距離が短い場合、地上から跳ね返る放出を完全に無視することができます。
    これらの条件の下で、ミサイルが目標を捕捉して追跡することができるのです。



    アメリカのAIM-7DやAIM-7Eのような特定のミサイルは、継続的あるいはパルス・ドップラーレーダーの信号によって誘導される、
    ドップラー効果を利用した半径方向速度に基づき目標を追跡します。この特定の場合において、追尾装置は異なる速度値で設定された
    方角の地面に反射したあらゆる目標と信号を無視します。このような技術の欠点としては、発射前に追尾装置が目標を捕捉できないこと、
    プレイヤーが操縦する航空機の移動軌跡に対して垂直に移動する目標を捕捉できないこと、逃げる目標を追跡する際の捕捉範囲が
    狭くなることなどが挙げられます。目標を捕捉するには、ミサイルは発射された航空機から1、2km離れて飛行する必要があるため、
    これではドッグファイトでは役に立ちません。これらのミサイルは、プレイヤーに向かって移動する敵に対して非常に有効なだけでなく、
    中高度や高高度で撤退する目標に対しても効果的です。この場合、追尾装置が地面に反射した信号を目標と同じ速度で移動する
    物体と誤認することはありません。


    兵装を入念に研究して様々な戦闘シナリオで試し、現代戦の真の専門家になりましょう。
    結局のところ、「知的」な兵器も知的なパイロットなしでは意味がありません!




    The War Thunder Team