フォッカーD21：フライングダッチマン

後にフォッカーD21となる航空機の開発は、1934年後半にFokker（フォッカー）社の技術者たちが
当時最先端の航空技術を取り入れた近代的な戦闘機の設計を試みたことから始まりました。1935年、
航空機がオランダの海外資産の防衛に適していると判断したオランダ空軍は、将来的にオランダ領
東インドで評価されることになる試作機の設計を命じました。

1936年に初飛行を果たしたフォッカーD21はそこで十分な将来性を発揮しましたが、オランダ空軍の
ドクトリンの変更により、その運命はしばらく「宙に浮いた」状態となりました。結果的に、
Fokker（フォッカー）社は海外での顧客の獲得を目指し、輸出市場における航空機の販売促進を検討し始めました。

幸いなことに、Fokker（フォッカー）社はデンマークとフィンランドの両方から関心を集め、
多数の航空機とその生産権を販売することに成功しました。同時に国内での関心も取り戻し、
1937年には航空機の生産が開始されました。

オランダの設計であるにもかかわらず、フォッカーD21は主にフィンランドで生産および採用されました。
全体の約三分の二がフィンランドで運用されたフォッカーD21は、冬戦争と継続戦争にてその名を上げましたが、
設計が時代遅れであったことが理由となりその後の活躍は見られませんでした。オランダのフォッカーもまた、
1940年5月に侵攻してきたドイツ軍に対して激しい抵抗を見せ、数機の優れたメッサーシュミットBf 109を含む
多くの敵機を撃墜しました。最終的には約150機のD21が製造され、1949年までフィンランド軍で運用されました。