現代的な戦車のリアリズムとバランス

私達が現代的な戦車の作成に取り組み始めた時、ほとんどの戦車のデータは未だに機密であるため、
正確な3Dモデルを作成しこれらが正しい挙動を行うようにすることが課題となるということに気付きました。

 

しかし、プロジェクトの精神で、私達はこれらの戦車をゲーム内で再現するため利用できるすべての資料や情報を駆使し、実際の戦車にできるだけ近づけることができるよう努めました。また、このような取り組みにより、私達は現実世界でのこの戦車の特徴をゲーム内で再現し、それぞれの戦車に様々なユニークなゲームプレイを経験させることができました。

 

 

アップデート1.77で複数の戦車が実装され、これらの戦車についての意見は情報源によって大きく異なる可能性があるため、
このトピックについての私達の見解を述べ、1.77で実装された型とDEVサーバーでの試験型の違いを明確にしておきたいと考えました。

 


Т-64B

 

ゲームバランスとこの戦車のすべての特性を考慮した上で、他のすべての新しい戦車と比較すると力学的にはやや劣っているにも関わらず、
強力な武器や誘導武装装置を装備しているため、比較的小さな車体や内的空間により、
T-64Bは装弾筒付翼安定徹甲弾(APDSFS)からの前面からの攻撃に対する防御力を十分に備えているということが言えます。

 

しかし搭乗員の数は少なく戦闘室は小さいため、装甲が貫通されてしまった場合、この戦車は西部の戦車よりも生存性が低く、
時速4kmという遅い反転速度であるため、攻撃を受けた時にその場からすばやく逃れることができません。
これらの技術的特徴は、ソ連では反転速度は戦闘特性ではなく、輸送特性としてみなされていたという、ソ連の戦車の特徴を強調しています。

 

ゲーム内で研究可能なこの戦車の砲弾は、1975年から1976年の間に連続的に生産が行われた、幅広く使用されている3BM22です。
通常攻撃時においてこの砲弾は高い貫通力を発揮しますが、
角度をつけた攻撃においてはL23やM774などの一体鋳造砲弾ほどの威力はありません。
また、1984年にこの戦車が登場した時、この砲弾は最も強力な砲弾ではありませんでした。

 

 


T-64の5層式前面上部装甲

 

T-64AとB砲塔

最初のDEVサーバーでは、T-64Bの上部装甲の装弾筒付翼安定徹甲弾や対戦車榴弾への耐性は、
T-64Aの上部前面装甲と同等の防御力のデータに基づいて上部前面装甲構造を再計算することで証明されました。
しかし、これらの値は最終的なものではなく、わずかに変更されました。装甲値はスクリーンショットに記載しています。
L23/L23A1/M774式の砲弾を使用すると、装弾筒付翼安定徹甲弾(APDSFS)に対する同等の防御力が上がります。
3BM22のような砲弾を使用すると値は高くなりますが、角度をつけた攻撃には優れていないため、最初に記載した値と同等になります。

 


M1エイブラムス

 

M1は、今日でも伝説的な評価を得ている戦車です。この戦車は複数の戦争で英雄となりました。
貫通することも破壊することも不可能であることから、M1はテレビや人気のある文献で描かれているのです。
しかし、現実はさらに複雑で興味深く、すべての航空機や船と同様に、連続生産されたすべての戦車は技術的解決法や具体化、
妥協の成果で、技術者は現実世界において質量次元や費用の制限を許容しなければなりませんでした。

 

現実世界において、M1は複数回の改良や何千回もの微調整が行われている過程で名声を得ましたが、
1980年代の初期の戦車と比べると、かなり能力の低い戦車でした。
ソ連の戦車がすでに125 mm機関砲を装備していたその当時、115 mmの機関砲から発射されるAPDSFS弾に対する防御能力は時代遅れで、
不安定な対空機関銃の照準器3つに、不安定なビューポート1つと射撃手の照準器の出力と、司令官の位置からの可視性は完璧とは程遠く、シリーズの最初の戦車には、破裂板式安全装置の動作の信頼性など、多数の初歩的な問題がありました。しかし、搭乗員の最大の安全性や生存性、車両へのダメージの犠牲など、M1の基本原理はすでに十分に定着していました。ゲーム内で再現した戦車にも、この原理を実装しました (参照元)

 

これと共に、最高の機動性や操縦性、すばらしい反転速度、典型的な高速砲塔、武器の照準速度が、M1のゲーム内の最大の特徴です。

 

 

弾薬が燃えてしまっても破壊されないゲーム内の戦車は、現時点ではM1のみです。
さらに、この戦車の発射速度は優れていて、一次弾薬格納架の砲弾22弾を使用すると、その速度はソ連のT-64Bの3分の1増加します。

 

M1の装甲の問題に関して調査を行うため、私達の顧問が複数の記録保管所(アメリカ国立公文書記録管理局)に問い合わせ、様々な調査書類を入手しました。『War Thunder』プレイヤーのうちの1人、「Fu_Manchu」もまた、私達にとって大きな助けとなりました。
彼は一次資料と共に有益な不具合の報告を定期的に送ってくれました(参照元)

 

イギリスの技術者達は、XM-1戦車は320mmから340mm程の装甲を装備しているため硬芯徹甲弾からの攻撃に対して防御力があり、800mから1200mの距離からのAPFSDS弾の攻撃に対する耐性もあり、127mmのクラスター爆弾に対する防御力もあるということに気付きました。
イギリスはAPFSDS弾に対する防御力が低すぎるとみなしていて、彼らの推定によると、この戦車は妥当な戦闘距離から発射された125mmAPFSDS弾への耐性はないはずであるということでした (参照元)

 

しかし、M1の試験で使用された特定の弾薬に関する情報が欠如していたことや、有名なCIA報告から受け取ったその他の調査と115mmと125mm砲弾などの現在のゲームパラメーターを考慮し、下の画像に記載されている装甲値を実装することにしました。これは、前頭角±25度からの115mm砲の攻撃や初期型の125mmAPDSFS弾に対する防御力は、380mmと同等であるということを意味しています。
戦車の対戦車榴弾(HEAT)に対する防御力に関しては、600mmから650mmに設定しています。
この値は、試験で使用された127mmHEAT弾の装甲貫通力と一致しています。
これらはすべて、戦場においてのほとんどの脅威から戦車を防御しますが、装甲は主要な特徴ではありません。

 


M1エイブラムスの車体

 

M1エイブラムスの砲塔

今後も引き続きさらなる情報を追求し、新しい情報を入手した場合は、様々なエリアに調整を行う可能性があります。

 


チャレンジャー

 

この戦車は、輸出されたShir-2を基盤として製造され、廃棄された主力戦車80プログラムで得た経験を基に設計されています。
そのため、この戦車の装甲を査定する時、まず初めに主力戦車80の類似点を使用しました(参照元)

 


チャレンジャーの車体

 

チャレンジャーの砲塔

APDSFS弾の攻撃に対する防御力は、3BM22砲弾の使用が考慮される仕様になっています。
M774やL23A1などの一体鋳造核を装備している砲弾の装甲数は、本来よりもわずかに少なくなっている場合があります。

 

 

その結果、ゲーム内にはハルダウンの位置で防御を実行することができる能力や、ソ連のT-64Bと同等の原動力、優れた反転速度、
同等のレベルの戦車の中では最も優れたHEAT弾への防御力のある平均的な戦車を実装することができました。

 

結論として、すべてのレベルの高い戦車には独自の興味深い特徴と、長所や短所があります。
今回の記事ではアップデート1.77で実装されたその他の戦車についての防御装甲のデータはより単純であるため、記載していません。
また、先日公開した「開発者がお答えします!」に登場したAMX-30B2ブレンヌスやレオパルト2Kについては、それぞれの国の装甲車両技術ツリーのトップとなったため、今回はこれらの戦車についてはご紹介していません。
現在のヒーローと同様の能力を誇る戦車については、実装した後にご紹介する予定です。
また、ゲーム内で戦車を再現する際の基盤となったデータについてもご紹介したいと考えています。

 



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