開発者たちがお答えします!~装甲貫通力算定方法に関する改良編・続~

親愛なるプレイヤーの皆様へ


今回は、最近ご紹介した装甲貫通力の算定方法に関する改良に関する更なる洞察や回答を共有し、
私たちの計画や目標について説明し、皆さまから寄せられたよくある質問についてお答えします。


装甲貫通力の算定方法を新たに変更することを計画している時に、下記の目標を立てました:


  • 装甲貫通力の算定方法を開示し、プレイヤーの皆さまにとって理解しやすく有名な算定方法にするため、算定方法を明確化すること:
    今までの算定方法では、正式なモノグラフから射撃テストについての資料に至るまでの様々な参照資料から引用して手作業でそれぞれの弾薬の貫通力が設定されていました。また、参照資料の多くで、異なる方法や基準、標的、及び装甲や弾薬の硬さに準じて、貫通力が算定されていました。したがって、統一性や標準化することは問題外であったため、算定方法の開示を行ったり、貫通力の理解を容易にする点については、今までの算定方法は最善とは言えなかったのです。

  • 様々な参照資料を使用することで生じる矛盾をなくすこと:
    参照資料から貫通力を考える時、様々な標準的な基準が使用されているため、矛盾が生じ、「どの資料が正しい資料なんだろう?」というような疑問がすぐに浮かびます。しかし、疑問に思った参照資料も記録に基づいていたり、信頼性があるものです。「すべての値は等しいのに、その内のいくつかはもっと等しい」という状況が生まれます。このようなことからわかるように、この方法は最善ではなかったのです。

  • 弾薬の貫通力のパラメーターである質量、速度、速度低下をデータ内に設定することに焦点を当てること:
    弾薬の射撃データがあれば、その弾薬の挙動がより正確にわかるようになり、何よりもまず、その弾薬の貫通力を知ることができます。参照資料を用いて作業を行うことを止めたりはしません。数百もの矛盾がある参照資料に散らばっている情報を集め、射撃データと弾薬の弾動力学の設定に焦点を当てます。

  • ゲーム内の装甲貫通システムを合理化すること:
    参照資料から貫通力のデータを手入力で入力すると、場合によっては、弾薬情報カードに記載されているデータが、貫通力が全く異なる基準を基にしている資料を使用している、という状況を生み出していました。ゲームに登場する兵器の数を増やせば、弾薬の数もそれに応じて増加し、貫通力に関する情報源は限度を超えるようになります。また、公に公開されていなかったり、すでに開示されていなかったり、理解しがたい資料もあるのです。

  • 参照資料を用いて作業を行うことを決して止めたりはしません。
    具体的な算定方法は、まず初めに資料を用いながら作業を行い、より意図的に、かつ効率的に、
    貫通力だけではなく弾薬の弾動力学も特定できるようになるため、ゲーム内の弾薬のすべての情報を標準化できるのです。


    それではここから、皆さまの質問に答えていきましょう:




    Q. 新しく算定された装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS弾)について主要な情報源が算定された性能と矛盾している場合、この情報源は依然として考慮されますか?例えば、DM33の垂直性能を証明しているスウェーデンでのテストは、算定された値よりもDM33の垂直性能が大幅に高いことを示しています。


    A. 私たちはAPFSDS弾の算定方法に、(変更が行われた公開済みの表に記載されている)17500 kg/m^3 に等しいタングステン核の密度を使用していました。これは、仕様にある第2級のタングステン合金に相当します。現時点では正確な密度が不明であるため、この密度を使用することにしました。この場合、密度についての(資料、性能報告書などの)信頼性が高く、曖昧ではない情報が提供されたら、適切な弾薬を実装するためにその情報を明確化する準備を整えます。このような情報が提供されるまでは、APFSDS弾の現在の貫通力の変更は行わない予定です。


    Q. (設計仕様及び戦闘での性能に応じて)何回貫通できるか、またはできなくなるかという装甲値が戦車にある場合、該当するものがあれば装甲についての変更が行われますか?


    A. いいえ。このような変更は、この算定方法を開発している時に設定した私たちの目標に矛盾することになるでしょう。既にゲーム内に登場しているものを除き、装甲の質における新たな指数を実装する予定はありません。


    Q. 使用されているDemarreの式は修正されますか?Wikiに記載されている現在の算定方法を使った場合、ほとんどの仮帽付被帽付徹甲弾(APCBC弾)は史実よりも性能があまりにも高すぎることになってしまいます。


    A. この算定方法を選択することで、大なり小なり、いくつか矛盾が生じることは把握していました。可能性のあるマイナス面及びプラス面を評価し、値について全体的な変更を行うことは、今まであった条件を越えなければ問題ないと決定しました。この算定方法は更なる改良をもたらし、更に大事なことに、プレイヤーの皆さまに貫通力の算定方法を開示し、算定方法を明確化することができたのです。そのため、様々な参照資料にデータを「一致させる」ことを目的とした算定方法に、修正を行う予定はありません。


    Q. 資料「World War 2 Ballistics: Armor and Gunnery」にあるスロープ効果の平均化は、この資料に記載されている垂直の貫通力と連動するように設計されています。様々な投射物の貫通力を上げたり下げたりする変更を行いながら垂直の貫通力に変更を追加することにより問題が生じると思います。この問題はどのように対処される予定ですか?


    A. 選択した算定方法の完全性を破るような状況は望んでおらず、またそのような状況が生じないように努めます。スロープ効果の算定された値を、装甲貫通力を選ぶという今までの方法と合わせて使用することで、まさにこのような状況が生じるでしょう。


    Q. DeMarreの算定方法は経験的に導かれた定数に依存しています。この定数は、装甲と投射物の組み合わせに応じて異なります。ゲーム内の装甲と投射物の可変配列に与えられるこの定数はどのように決定する予定ですか?


    A. 以前示された通り、初期のゲーム内の貫通値には低硬度の装甲が適用されていました。この装甲に見合うように、算定方法の定数が決められています。その値は1900で、低硬度の均一装甲に相当します。


    Q. 弾薬の貫通力を標準化することで、弾薬の二次フラグメントの標準化も行われますか?現在、「長棒状」の破片を使用しているすべての弾薬は、重量と速度が小さい、薄い弾薬よりも、生成する破片の量が少なくなっています。これは装弾筒付徹甲弾(APDS弾)で顕著であり、徹甲弾(AP弾)の弾芯直径と匹敵するAPDS弾が生成する破片の数は非常に少ないです。


    A. 装甲貫通力の値を求めるために適用されている算定方法は、二次フラグメントの構成と関連していません。これは既知の問題で修正される予定です。


    Q. 長棒状の弾芯がある弾薬が跳弾する角度を変更しますか?前回の変更では、様々な速度や先端部の設計をもってして、多くの弾薬の跳弾の角度が修正されましたが、該当の物質は大きな影響をもたらすにも関わらず、考慮されていませんし、実際、跳弾の角度を大幅に変える可能性があります。


    A. 近日中に、APFSDS弾が跳弾する値を修正する予定はありません。このような弾薬の跳弾のパラメーターについて修正及び改善を行うための信頼性がある情報が提供された場合、(必要であれば)いつも通り考慮される可能性があります。


  • Lanz -Odermatt計算式を使用して計算されたAPFSDS弾の新しい貫通値(※リンク先は英語表記となります)
  • ゲーム内の貫通力を計算するために使用した硬芯徹甲弾(APCR弾)/高速徹甲弾(HVAP弾)の核のデータ(※リンク先は英語表記となります)
  • 開発者たちがお答えします!~装甲貫通力算定方法に関する改良編~



  • The War Thunder Team