チャレンジャー1：ふさわしい後継車

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1977年、イラン政府は当時運用していた主力戦車の中ではほぼ間違いなく最高のチーフテン戦車の改良型を注文しました。
チーフテンは前代未聞の防御力と火力を備えていましたが、その可動性は精彩を欠いていたため、改良が施された後継車が必要でした。
それに応じて、MVEEの技術者たちはチーフテンMk.5(P)を製造し、この車両を基に更に3両の試作車を製造しました。
これらの試作車のうちの1両が、チャレンジャー1の基礎となりました。
不運にも、1979年のイラン革命とシャーの失脚後、イランはチーフテンの改良版の注文をキャンセルしました。
更に、同様のイギリスの戦車計画（主力戦車90）もまた断念されてしまい、
すぐにイギリス陸軍がこの新しい主力戦車の購入見込み客となりました。

チャレンジャーの設計は、イランへの輸送計画である
「Shir-2」と呼ばれた中止となった設計が基で、強力な120mm砲と優れた装甲を装備していました。
チャレンジャーは異なった材料の複数の重構造で作られた複合装甲のチョバム・アーマーも装備していました。
この追加装甲により、チャレンジャーは独自性と、砲塔と上部前面装甲上に重傾斜装甲を得ることができました。
チャレンジャーの可動性とオフロード機能は、新しい1200馬力出力可能なロールス・ロイスエンジンと
ハイドロニューマチック・サスペンションの搭載により大幅に改良されました。チャレンジャー1は1983年に生産に入り、運用が開始されました。
1990年に生産が終了し、全部で約420両が生産されました。そのほとんどが湾岸戦争中にイギリス軍で使用されました。
また、1990年代半ばにはボスニア・ヘルツェゴビナの平和維持活動でも使用され、さらにヨルダンでは、
今日に至るまでチャレンジャー1戦車の大多数がいまだに運用されています。
チャレンジャー1は2001年までに現役から退き、チャレンジャー2が後を引き継ぎました。