チャレンジャー2主力戦車の問題報告に関する対応
2024-01-19 10:00
開発者ブログ
皆さま、大変お待たせいたしました。今回は、チャレンジャー2主力戦車シリーズの問題報告について、皆さまの協力のおかげで既に修正したものと、近い将来に予定している計画をお話ししたいと思います。早速、皆さまから寄せられた問題報告を確認していきましょう。
何よりもまず、チャレンジャー2の問題報告を作成いただいた皆さまに感謝を申し上げます。皆さまからの報告により下記の問題を発見することができました。これらは対応済みで、現在ゲーム内へ反映されているか、近い将来または次期大型アップデートで実施する予定です:
機動性
防御力と生存力
主砲
その他の武装
その他
チャレンジャー3 TD
続いて、今後対応予定の報告内容について、詳しくご説明します。
まずは、Fireball_2020によって作成された、チャレンジャー2の砲の防盾に関する報告を見てみましょう。防盾を可能な限り詳しく紹介するために、これらの参考写真を入手するのに時間を割いていただいたことに深く感謝しており、私たちはこれについて徹底的に調査を行いました。
この報告で取り上げられている主な点の一つは、砲塔(防盾と側面)に運動エネルギー弾と化学エネルギー弾が発射されたものの、両方の部位はこれらの砲弾に耐えることができたということです。しかし、この報告には、必要となる重要な詳細情報がいくつか欠落しています。例えば、この試験で使用された武器や砲弾の種類に関する具体的なデータが不足しているため、この情報を確認せずに変更を実施することは困難だと言えるでしょう。技術的には、主装甲部分(サイズが大きく、外側が厚い鋼板で覆われ、基部の装甲も厚い)と防盾(砲を安定させるために必要で、厚い装甲で収めにくい)の間で同等の装甲を確保することは、非常に難しい課題となります。
もし、どの武器や砲弾でテストされたかに関する公開情報をお持ちの場合は、お気軽に不具合報告として投稿いただくか、コミュニティマネージャーまでご連絡ください。
ただし、防盾のダメージモデルのジオメトリについて詳細な検討を行っており、それをリファクタリングする予定です。砲の防盾には複合装甲の層があり、その留め具は砲塔の側面に採用されている複合装甲パッケージの留め具と同様となります。
クィーンズ・ロイヤル・ハッサーズのFacebookページからの写真(参照元1、参照元2)
具体的には、一体どのような変更を行うのかをご説明しましょう。まず、チャレンジャー2のダメージモデルは、私たちが所有している入手可能な情報に基づいて改良され、より詳細なものになります。リファクタリングというと聞き馴染みがないかもしれませんが、必ずしも装甲の数値が上がるわけではなく、場合によっては下がる可能性もあることにご留意ください。ディテールが増すということは、脆弱な領域がより正確に再現され、防盾の装甲のサイズを拡大する可能性があるからです。
取り組み時期については、チャレンジャー2主力戦車の内部モジュールの視覚化と並行して、ダメージモデルのジオメトリ更新も開始する予定です。
この工程をできるだけ効果的に進めるため、これらの変更は次期大型アップデートの実施と共にゲームに反映される予定ですが、作業が早期に終了すれば早めに反映される可能性があります。
Flame2512によって作成された、この報告を見てみましょう。この報告では、砲塔の側面装甲の防御力が低すぎることが指摘されています。これらのスクリーンショットと防御力に関する情報をご提供いただきありがとうございました。防御力の違いは、ダメージモデルの不正確さに起因しています。防御力の不一致につながるこれらの不正確さは、本記事の冒頭で述べたよう、ダメージモデルのジオメトリを更新することで修正されます。
次にチャレンジャー2のERA(爆発反応装甲)の防御力の値に関する一連の報告を見ていきましょう。
ラファエル社製の爆発反応装甲「Armor Shield R」は、チャレンジャー2 TES(Theatre Entry Standard:戦域投入標準装備型の意)とチャレンジャー2 OES(Operational Entry Standard:作戦投入標準装備型の意)に施されており、STANAG 4569 レベル5の防御力に分類されています。それにもかかわらず、装甲が提供される向首角に関する情報がありません。STANAG 4569 レベル5の防御力に該当する基本的な条件:500mの距離で25mm APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)から+/-30°の向首角における装甲は、ゲーム内ですでに実装されており、また少し離れた距離で90°の向首角でも同様に防御を提供しています。
ラファエル社製の爆発反応装甲「Armor Shield R」を有する他の車両と比較した場合、考慮されていないと言えるのは、各車両が重視している防御箇所によって、装甲パッケージの設計が車両ごとに異なる可能性があることでしょう。現在ゲームに実装されているこのERA(爆発反応装甲)は、報告で提示されている文書と矛盾しないため、その防御装甲に変更や修正を加える予定はありません。ただし、ERA(爆発反応装甲)自体が取り付けられた部材(現在ゲーム内では複合装甲で作られています)については、提供された情報を基にアルミニウムに変更する予定です。
再度、Flame2512が作成した報告にあるL27A1 APFSDS弾(装弾筒付翼安定徹甲弾)に話を移しましょう。この報告の資料によれば、L27A1の装甲貫徹力は2kmの距離で700mmとされています。しかし、『War Thunder』では、発射体の物理データを用いて装甲貫通力の値を求める際、一貫した計算を行うために普遍的な基準として、Lanz-Odermatt式を使用しているため、これらの値には若干の矛盾が生じています。また、この発射体に関する公開情報やその画像も入手することができれば、私たちが使用する計算式で生じる矛盾は検証することが可能です。
さらに、イギリスの文書では、通常APFSDS弾(装弾筒付翼安定徹甲弾)の装甲貫通力の評価は、約70°~75°の急角度で装甲板へ射撃することが想定されており、APFSDS弾(装弾筒付翼安定徹甲弾)が最大の装甲貫通力(貫通路の最大長)を示すことは注意すべき必要があります。提供された資料に装甲貫通力が700mmと記載されているのは、これが理由です。
もし、『War Thunder』へ提供された文書内の値を取得するのにテストの実施方法を比較した場合、現在の値を持ったL27A1砲弾は、2kmの距離から70°の角度で、650mm以上の経路長を貫通します(70°の角度で225mmの装甲板を貫通します)。文書内の値と比較したゲーム内の装甲貫通力が異なるのは、装甲貫通力の値の評価基準の違い、発射される装甲板の特性、APFSDS弾(装弾筒付翼安定徹甲弾)の着弾角度の違い、あるいは発射弾/装甲板に対する当初の要求と、実用試験でも得られた結果の違いによるものです。
L27A1砲弾のサイズと速度について、私たちが見落としている可能性がある追加の公開情報をご提出いただければ、再計算を行ってどのような値になるかを確認し、そのあと必要に応じて変更を加えることができます。
最後に、Legwolfによって作成された報告を見ていきましょう。この報告では、チャレンジャー2の現在の弾薬の位置が誤っていることが述べられています。私たちは、独自の情報で部分的に確認しましたが、報告に添付された一部の資料は、検証可能な範囲に不正確さがあるため、プロトタイプの戦車内部を示しています(または一般的に単なる構成図です)。報告の図では、砲塔内の弾薬格納架に20+8発の砲弾が搭載されていることが示されていますが、ゲーム内におけるチャレンジャー2の実際の写真では、砲塔格納架に24発の砲弾が搭載されていることが確認できます。
ただし、私たちは、チャレンジャー2内部の弾薬の配置を見直し、これらの戦車のX線モジュールと同様にダメージモデルのジオメトリを更新する際に変更を実施する予定です。これらの変更は、近い将来に実施されるアップデートに伴い、ゲーム内へ反映される予定です。
※リンク先は英語表記となります。
The War Thunder Team