バトルイベント「ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)」:BVV_d氏の夏季開発更新情報

どうも皆さん!次なる『ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)』の実施に先立ち、この2週間で私たちが取り組んできたこと、直面した問題、そして皆さま自身が試すことができる本モードに施した変更点について共有したいと思います。

まず、本モードにさまざまなシステムや機能を実装する際の複雑さに加え、それがゲーム内の他のロケーションやモードと異なる理由について簡単に説明します。ロケーション自体が非常に壮大なスケールを持ち、約1,000個のオブジェクトと多数の弾薬が同時にアクティブになります。これらすべてが通常の航空戦よりもサーバーに高い負荷をかけるため、私たちの技術的解決策や変更は、ロケーションとミッションの規模を考慮しつつ、許容可能なパフォーマンスで動作する必要がありました。そのため、最適化の目的で、AIユニット用に簡略化された特別なレーダーを使用した場合でも負荷が過剰に高くなるため、小型の防空ユニット(輸送隊や工場の防衛)の常時アクティブな索敵レーダーを当初は無効にしました。これは必要な決定でしたが、最終的には「パイロット」対「戦場の防空網」の対決というゲームプレイのダイナミクスを台無しにしてしまいました。航空機が交戦範囲に入るとすぐにSAM(Surface-to-Air Missile:地対空ミサイル)が発射され、ARM(Anti-Radiation Missile:対レーダーミサイル)の使用やそのような防空システムへの対抗が著しく困難になりました。もちろん、熟練したプレイヤーであればこのような状況でも打ち勝つことは可能です。しかし、そのためには防空システムのおおよその位置を把握し、自分へのミサイル発射を探知後、回避するのではなく落ち着いてARMを使用する必要がありました。その後、防空システムは通常、最初に発射したミサイルの誘導を中断し、ARM自体の迎撃・破壊へと移行します。

この問題に対処するため、プレイヤーが一定の距離まで近づいたときに戦場の防空システムが索敵レーダーを起動するようにしました。現在、それはミサイルの射程範囲の約1.5倍に設定されています。これにより、すべての索敵レーダーを同時に稼働させてサーバーに負担をかけることを抑えつつ、プレイヤーが判断を下してARMを発射するための時間的猶予を与えることができます。また、AIが使用する索敵レーダーをさらに最適化しました。

飛行場を防衛する中距離防空システム(HQ11/Spyder)にも同じアルゴリズムを適用しました。以前はこれらのレーダーが常時有効になっていたため、防空システム自体が航空機の脅威とされない遠距離から大量の対空ミサイルを引き寄せていました。これにより、ミッションの早い段階でこれらが急速に破壊され、飛行場の防空範囲が大幅に縮小する結果となっていました。

重要な改善点がもう一つあります。短距離防空システムが最高速度で走行中に攻撃しなくなりました。ミサイルを誘導するため、ツングースカやItoなどの車両は速度を3~5 km/hに落とすようになり、その挙動が実際の動作により近くなりました。

次の重大な問題は、両陣営間のバランスを大きく崩していた長距離防空の運用および「青」陣営と「赤」陣営の兵器能力(Kh-31問題)でした。長距離SAMシステムの構成にすべての調整を行った後でも、バランスはまだ理想とは程遠く、最終的にチームの人数を変更することでのみバランスが改善されました。しかし、常設する継続的なモードには適した修正ではなく、この解決策は最終手段であると考えました。

そこで私たちは、ARMに対するSAMシステムの自己防衛アルゴリズムを実装しました。これにより、長距離発射時における遅い対レーダーミサイルと速い対レーダーミサイルの有効性が均等化されます。仕組みは次のとおりです。SAMシステムのAIが、特定の範囲内で特定の特性(速度、高度、進行方向)を持つ目標を検出した場合、一定の時間レーダーを無効にすることを決定でき、その結果ミサイルは目標を外れます。この範囲はシステムが脅威に対応する時間をシミュレートしています。つまり、長距離からの発射ではSAMシステムが脅威を評価して、レーダーを無効にする十分な時間が残されますが、「青」陣営が「赤」陣営の防空を制圧するために行わなければならなかったような短距離からの発射は引き続き有効です。さらに、長距離からの発射中には、短い間のレーダー停止であってもミサイルに対しては致命的な誘導誤差を与えるのに十分であり、レーダーを再起動してもミサイルが再びSAMシステムを捕捉することはありません。

これらすべてにより、両陣営は離陸直後に単にミサイルを発射するのではなく、敵に接近し、長距離防空システムという貴重なリソースを破壊するリスクを冒すことを余儀なくされるはずです。これは私たちのローカルなテストではうまく機能していますが、最大人数が参加した実戦テストにより、この解決策がどれほど有効なのか明らかになるでしょう。

両陣営間の空対地兵装の不均衡についても、当然のことながら多数のご意見をいただきました。「赤」陣営は強力な弾頭を持つより高速なミサイルを使用しており、小規模防空システムを突破して地上目標を破壊する可能性がはるかに高かったです。「青」陣営の航空機兵装はより大きな弾頭を備えていますが、その誘導兵器は遅く、防空AIに簡単に迎撃されていました。両陣営側の防空能力はほぼ同等であるものの、「青」陣営は地上目標を攻撃するのがより難しいと感じており、それがミッションのバランスに影響を与えていました。現実には、現代の小口径空対地ミサイル、特にステルス対策を採用しているものは防空システムにとって非常に困難な目標であるため、私たちもこの航空戦の要素を実装することにしました。これはまだ弾薬におけるRCS(Radar Cross Section:レーダー反射断面積)の完全な実装ではありませんが、AI防空システムに対する効果は似たものになります。これらは小口径誘導弾(GBU39/GBU53など)をはるかに狭い範囲から「探知」して交戦するようになり、ステルス誘導弾(現在はJSOWのみ)の場合はその範囲がさらに縮小します。そのため、これらの爆弾は現在、『ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)』において、より実用的な意味を持つようになります。すでに述べたように、これは『ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)』向けの「疑似RCS」のようなものです。弾薬に対するRCSの完全な実装には少し時間がかかりますが、2026年中の計画に含まれています。

皆さまから頻繁に言及されていたもう一つの重要な点は、マーカーシステムです。細かな点ですが、重要な改良が行われました。「戦車アーケードバトル(Arcade Battle:AB)」で使用されているものと同様のシステムが、AI兵器向けに実装されました。ユニットが攻撃するとマーカーの表示「範囲」が数倍になり、味方と交戦している防空システムを攻撃しやすくなります。マーカーのクールダウンも増加しました。これにより、「敵」と「味方」の目視による接触が失われた後も、マーカーが数秒間表示され続けます。これにより、主に小規模な防空部隊との戦闘が簡略化され、前線の兵器構成がより明確になります。また、時には敵の防衛網の奥深くにある重要なターゲットのより効果的な偵察が可能になります。

海戦の要素も軽視してはいません。艦艇の防空を改善し、非稼働だった兵器システムを稼働させ、不足していた箇所には新たなミサイルを実装しました。また、対艦ミサイルシーカーの目標となる艦艇のモジュールリストを変更しました。これまで、対艦ミサイルは砲塔に頻繁に命中し、艦艇を効果的に沈めることができていませんでした。ただし、この改修作業は現在も行っており、今後もいくつかの改良と調整を行う予定です。また、現在の艦艇の構成があまりバランスの取れていないことも明らかであるため、これらも調整します。『ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)』においてよりバランスの取れた新たな艦艇も開発計画に追加しましたが、その開発にはいくらか時間がかかるでしょう。

最新の『ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)』のアップデートにおいて、皆さまから多くのフィードバックをいただいているもう一つの分野は、このモードの経済システムです。なぜこのような状況になっているのか、ご説明します。非対称モードのバランス調整はより困難であり、必要なバランスに達するまでは、モードの経済システムを微調整することはできません。最も効果的な「赤」陣営の航空機は、最も効果的な「青」陣営の航空機と比較して、平均して3倍の収益を得ていました。すべてのアクションに対する「報酬」を単に数倍に増やすだけでは、反対側のチームが過剰な収益を得ることになり、後からそれらを削減しなければならなくなります。そうなれば、コミュニティの皆さまから非常に否定的な声が多数上がることになるでしょう。したがって、私たちはまず経済的な変更を行わずに戦場でのバランスを改善することに主眼を置き、その後に経済システムを微調整することにしました。これは、経済的な変更が一切行われないという意味ではありません。撃破した目標の種類に基づいて報酬のバランスを再調整し、地上目標を優遇するようにしました。これにより全体の報酬も増加しました(アップデート記事をご確認ください)。しかし、これらは最終的な数値ではありません。このモードは現在も開発中であるため、ご理解とご協力のほど、お願い申し上げます。

当然ながら、何か書き忘れていることがあるかもしれませんが、この記事はすでにかなり長くなってしまいました。重要な技術的変更はすべて「アップデート記事」に記載されますので、お時間を取ってぜひご一読ください。皆さま、改めてありがとうございます。これらの改善を施した『ニュークリアエスカレーション(Nuclear Escalation)』の実施後、皆さまからのフィードバックをお待ちしております。


 

The War Thunder Team