SACLOS/MCLOSミサイルの飛翔物理特性の向上
私たちは、ゲーム内の兵器や武器を可能な限り忠実に実装するように努めており、航空機や砲弾などのゲーム内オブジェクトの動作を常に改善し、明確化しています。今回は、飛翔するミサイルの物理モデルに対するより信頼性の高い要件を満たすために、SACLOS(Semi-Automatic Command to Line of Sight:半自動指令照準線一致誘導)及びMCLOS(Manual Command to Line Of Sight:手動指令照準線一致誘導)方式のミサイルにおける制御メカニクスを完成させました。
この種類のミサイルでは、飛翔速度と空気密度に応じたミサイルに作用する負荷を明らかにし、ミサイル制御時にはより正確に速度が低下するようになりました。これらの変更により、実際の見本に合わせて、この種類のミサイルのダメージ範囲をより正確に実現することができます。
その結果、高度または機首方位パラメーターで高速目標へ対応するSACLOS方式のSAM(Surface-to-Air Missile:地対空ミサイル)は、能力が著しく低下します。このような制御方式のミサイルは、視線上に沿った軌道を飛翔するため、高度及び機首方位パラメーターのある目標に向けて発射すると、目標の位置の変化によってミサイルの軌道が曲がり、過負荷が増加し続けた状態で制御しなければなりません。
目標に対して大きく仰角を付けたSACLOS式のSAMの軌道を示した図 |
このような軌道は飛翔中に高いGの力を必要とし、十分なGの力がない場合は、軌道速度の低下と相まってミサイルは目標を見失う可能性があります。そのため、目標の速度が速く、その機首方位または高度が高いほど、ミサイルの目標命中は困難になります。
SACLOSミサイルの飛翔に関するこの機能は、物理モデルの更新後にさらに顕著になり、パイロットの皆さまがSAMの攻撃を回避するために使用可能となります。これを行うにあたっては、高速と高高度または広角度の機首方位を維持することをお勧めします。
また、SACLOS/MCLOSの物理モデルの更新後は、ミサイル誘導システムによる重力補正の影響を受けたミサイルの迎え角も顕著になります。更新された物理モデルの迎え角はミサイルの速度によって異なり、飛翔中の迎え角はこれらの武装が目標に接触する際の角度をわずかに変化させます。
用語解説:
SACLOS:半自動指令照準線一致誘導方式(Semi-Automatic Command to Line of Sight)
MCLOS:手動指令照準線一致誘導方式(Manual Command to Line Of Sight)
目標の機首方位パラメーター:割り出された点(座標の原点、計器・機関砲・発射機の位置)から水平面に予測された目標針路までの最短距離(垂直)
目標の機首方位パラメーター |