ミサイル科学:LOSミサイルの物理モデル更新


次期大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」で見直されるLOS(line-of-sight:照準線一致)誘導方式ミサイルの物理モデルについての詳細を紹介します。

私たちは、常に武器における物理モデルの改良を続けています。そして、今回の大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」で用意している三点法(three-point method)つまり照準線によるミサイル誘導の物理モデルを手直しした内容について説明したいと思います。

現在の照準線一致誘導方式ミサイルの物理モデルは、制御シミュレーションを回避し、ミサイルの飛翔における加速度に直接影響を与えることが出来ました。

簡略化された物理モデルでは、許容可能な過負荷を超えて、ミサイルが十分な機動性を持たないにもかかわらず目標に命中することができてしまいます。

新しい照準線一致誘導方式ミサイルの物理モデルは、ホーミングミサイルの物理モデルに近似し、ミサイルの制御面上で挙動するようになります。



ミサイルの飛翔


更新されたミサイルの物理モデルでは、以前の物理モデルと比較しても、さらにはホーミングミサイルと比較してもはるかに緻密な制御の調整が必要になります。全般的に、ミサイルの制御とは、運動学的軌道に基づいて実際のミサイル軌道に起こる誤差と、運動学的軌道の周囲で発生した急激な照準線の変化によるミサイルの影響(自励振動)の間から導かれる妥協点であると言えます。

運動学的軌道から実際の軌道が遅れる動的誤差のアニメーション


G(重力加速度)能力が不十分な場合に発生する問題とは異なり、動的誤差はミサイル飛翔中の軌道すべてに作用し、許容可能な能力の不足は、必要な過負荷が急激に増加する目標へ接近した時にのみ現れます。

G能力不足により実際の軌道が遅れる動的誤差のアニメーション


運動学的軌道と実際の軌道の動的なズレは、移動する目標に対して飛翔体自体だけではなく、発射する兵器の動きからも生じ、高速で移動する兵器から発射する場合にはこの点を考慮し、プレイヤーの皆さまが照準線上との角速度(angular velocity)を小さくして動的誤差を減少させる工夫が必要になります。

高速移動兵器から発射されたLOS(line-of-sight:照準線一致)誘導方式ミサイルの軌道アニメーション


この新しい物理モデルにより、ミサイルのエンジンと制御面に対する挙動を適切な形で導入することができ、ゲーム内のミサイルにおける設計上の特徴などをより正確に再現することができます。
そのため、一部のミサイルでは、空力制御(フラップ、ラダーなど)と比較し、低速におけるミサイル誘導を大幅に向上させるエンジン制御が、実装されています。この機構を実装したミサイルの一覧は、下記の通りとなります:

  • 対戦車ミサイル:SS.11、9М14М-2、MILAN、MILAN-2、HOT、HOT-2、HOT-3、302 ATGM、HJ-8A、HJ-8C、HJ-8E、HJ-8H
  • 地対空ミサイル:ローランド1、ローランド2、ローランド3

  • LOS(line-of-sight:照準線一致)誘導方式のほとんどの対戦車ミサイル及び地対空ミサイルに新しい物理モデルが実装されました。その一覧は、下記の通りとなります:

  • 対戦車ミサイル:9М14М-2、MILAN、MILAN-2、HOT、HOT-2、HOT-3、302 ATGM、HJ-8A、HJ-8C、HJ-8E、HJ-9、TOW、I-TOW 、TOW-2、TOW-2A、9М17P、9М17М、9М133、9М133М-2、9М133FM3、9М112、9М113、9М117、9М119、9М114、9М120、9М120F1、9М 220O、9М123(ヘリコプター)、9М127、3М7、GP105、HJ- 73E、GP125、MGM-51B、MGM-51C、MP ACRA、Type-79、ACRA、ZT3A1、ZT3A2、Rb53
  • 地対空ミサイル:ローランド1、ローランド2、ローランド3、RB-70、RB 70 Mk.2、BOLIDE、9М331、9М311、95Ya6、VT-1

  • 次期大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」の実施とともに、上記一覧のミサイルは新しい物理モデルへと移行されます。なお、有線誘導を備えた第1世代対戦車ミサイル及び第2世代ミサイルの一部には以前の物理モデル適用されたままになります。



    The War Thunder Team