ミサイル対決:公平な取り扱い


ミサイル同士のバトルにバランスと信憑性を高めるため、大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」の実施と共にSACLOS(Semi-Automatic Command to Line of Sight:半自動指令照準線一致誘導方式)ミサイルを改良します。

マルチミサイルビームライディング


どうも皆さん!今回はゲームに実装されているミサイルの改良について掘り下げていきますので、始めに複数のミサイル発射について触れていきます。この複雑な話題について最初に簡潔な言葉で行い、より詳しく掘り下げた内容の説明を試みましたので、気に入っていただければ幸いです!


簡潔版:大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」では、SACLOSミサイル(※下部の兵器リスト参照)のビームライディングを改良し、複数のミサイル発射の信憑性を高める、つまりは限られた短期間での誘導に変更します。以前までは、航空機や地上車両はこの制限を無視していたため、ミサイルを連続で発射することが可能な上、すべて同時に目標へ誘導していました。ヘリコプターや航空機のパイロットの皆さまは、このゲームプレイの簡略を利用することで、対空自走砲の防衛機能をオーバーロードさせていました。例えば、フランスの自走式対空砲ローランド 1とロシアの攻撃ヘリコプターKa-52が対峙している場合、地対空ミサイルは発射準備が整った使用可能なミサイルが2発しかない中、ヘリコプターは12発の「ヴィーフリ(Vikhr)」対戦車ミサイルをすべて発射することができます(これは一斉射撃の遅延は考慮されていません)。フランスの方は、最初の2発の対戦車ミサイルを迎撃することができますが、3発目で格納庫へ戻されることになります。これから複数のミサイルによる一斉射撃は、短い間だけ可能になります。この期間を超えた場合、最初に発射したミサイルはコントロールを失います。


詳細版:


レーザービームライディング誘導は、ミサイルの誘導方式の一つで、これはランチャーに装備されたレーザー目標指示装置から、空間に誘導フィールドとして円錐形のレーザー走査によるレーザービームを照射します。このビームはさまざまな変調信号によって構成されていて、ビーム内のさまざまな個所の信号の強さはすべて異なっているため、ミサイルに搭載されている受信機は、誘導フィールドにおける境界との距離偏差を検知して、ミサイルがその瞬間どこに位置しているのかが判断できます。そのあとはミサイルの自動操縦がミサイル自体をビームの中心へ近付けるように飛翔させることで、目標へ向かう軌道に乗ります。



ランチャーは各ミサイルに直接指令を出しておらず、ミサイルの位置に関するデータも把握しているわけでもないため、理論的にこのようなシステムは一つの円錐形の誘導コーン内に飛翔しているミサイル数に制限はありません。複数のミサイル発射は目標を破壊する可能性を上げるために使用されます。しかし、実際のシステムでは、ミサイルが発射点から離れていくのに従ってビームの開角が狭くなるため、ビーム径と目標の大きさの整合性を確保し、信号を一定に保つためにこのような制限が存在しています。このビームの開角の縮小は、焦点距離可変の光学システム(パンクラティック光学システム)によって行われています。


パンクラティック光学システムにより1発目のミサイルと遅れて発射された2発目の複数ミサイルをビームライディングしながら誘導するイメージ


ゲーム内のビームライディング誘導に関するメカニクスは、マルチミサイル誘導を行うことが可能で、航空機と地上車両の両方に搭載されたアクティブ干渉によるジャマー耐性も備えていました。『War Thunder』では、以前よりビームライディング誘導の制限が簡略化され、その結果として、ヘリコプターと地対空ミサイルが対決した場合、如実にこのようなミサイルの優位性が浮き彫りになっていました。パイロットの皆さまは、多数のミサイルを発射することが可能で、最初のミサイルは、対空自走砲が迎撃手段として地対空ミサイル発射を誘引し、戦闘に使用可能な地対空ミサイルの残弾が底をついた場合、後続のミサイルが着弾していました。現実的に、誘導システムは、軌道上の限定された数のミサイル群のみを対象に誘導フィールドを展開しています。発射点から最も離れてしまったミサイルは、レーザー走査の幅が広過ぎて、信号がとても弱くなる半面、発射されたばかりのミサイルはレーザー走査の幅が細すぎるため、ビームによるミサイルの誘導を行うことができません。これと同等の機能がゲームに実装します。

大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」では、パイロットまたは地対空ミサイルの使用者がマルチミサイル誘導を行うことは可能ですが、短い間に発射されたものだけが対象になります。この期間外にミサイルが発射された場合、誘導フィールドは新しいミサイルへ切り替わり、以前に発射されたミサイルの誘導は失われてしまいます。この期間はパイロットのHUD(ヘッドアップディスプレイ)または砲手の照準器に表示されます。

兵器リスト:


  • Ka-50、Ka-52、Mi-28NM、AH Mk.1、Su-25T、Su-39、攻撃型ドローン「オリオン(Orion)」、BMP-2M、ASRAD-R、ADATS、 ZT3A2、ストーマー HVM、ADATS (M113)

  • 近接信管付きミサイルの安全装置


    地対空ミサイルにおけるもう一つの改良は、地対空ミサイルが目標に向かって飛翔中に近接信管が誤作動してしまう問題に関連しています。現実的に、無線誘導式の対空ミサイルの近接信管には、目標に接近した際に作動する安全解除距離のオプションを有しています。このオプションは、ミサイル自体のジャミング耐性を向上させながら、間違って信管を作動させない機能も含まれています。以前までの『War Thunder』では、非接触センサーの簡略化したメカニクスを実装していたため、常にセンサーはアクティブな状態で、対空自走砲へ向けて航空機またはヘリコプターが近距離でミサイルを発射した場合に感知していました。航空機と地対空ミサイルの戦いはこれでもかと言うほど不毛なものでした。

    大型アップデート「ラ・ロワイヤル(LA ROYALE)」では、この簡略化したメカニクスを削除することにしました。対空自走砲のレーダーが目標にロックオンした場合、近接信管は目標に接近した場合にのみ作動するようになりました。この変更により、近距離のミサイルおよび敵の航空機に対し、誤って信管が作動しないようになりました。しかし、ミサイルがロックオンされずに発射された場合、またはMCLOS(手動指令照準線一致)を使用した場合、目標までの距離のデータが不明なため、目標感知センサーは発射された瞬間からアクティブな状態となります。

    安全装置を備えた地対空ミサイルリスト:


  • VT-1、ローランド 2、ローランド 3、9M331、9M311、9M311M1、95Ya6



  • The War Thunder Team