主力戦車・スポールライナー・航空機に関する質疑応答


どうも皆さん!地上車両のスポールライナーや装甲全般について、多くの方から質問が寄せられていることに気が付きました。誤解を避けるためにも、今回はいくつかの疑問に対して簡単にお答えしたいと思います。

M1 エイブラムスの有効性

 


近々、M1 エイブラムスシリーズ戦車の車体装甲に関する開発ブログを公開し、量産車両における車体装甲は強化されていなかったと考察している理由の説明記事を掲載する予定です。しかし、私たちは、120mm砲を装備したM1 エイブラムの全派生型の有効性に満足していないため、これを改善するための他の方法を模索しています。

最初に検討したのは、いくつかの要望や提案が寄せられたM829A3砲弾を新たに追加することです。この選択肢について議論を重ねたものの、最新の装甲とERA(Explosive Reactive Armour:爆発反応装甲)システムを備えたトップクラスの兵器に対するエイブラムスの能力は、M829A2と比較した際、このM829A3砲弾の追加によって向上することはありません。M829A3砲弾を追加する可能性については未だ検討中ですが、初めの変更点として、エースレベルの搭乗員における1発あたりの一次弾薬格納架の装填速度を6秒から5秒に短縮し、エイブラムスをあらゆる相手に対してより効果的にすることを計画しています。ほとんどの105mm砲における砲弾のサイズと重量が、120mm砲の砲弾と同等であることを考慮すれば、この装填速度は妥当です。これは、120mm砲の薬莢が部分的に燃焼する焼尽式であるのに対し、105mm砲の薬莢は金属である事実によるものです。例えば、M900を装填した105mm砲弾の長さは1003mm、重量は18.5kgであるのに対し、120mmのM829A2の長さは982mm、重量は20.3kgです。

レオパルト 2A7Vの装甲

 


私たちは、ゲームに登場する兵器の特性を文書化された資料に記載されている実際の兵器の特性へと、常に可能な限り近づけるように尽力しています。レオパルト 2A7Vの防御力に関しては、スウェーデンの入札で提示されたレオパルト 2の装甲パッケージに関する情報に基づいています。しかし、スウェーデンの入札に提出されたプロトタイプと比較し、装甲強化が実際に行われたという信頼できる証拠も、もし実際に行われていた場合には、どの程度まで装甲が強化されたのかという証拠もありません。そのため、私たちは、現時点ではこの戦車の防御力をさらに強化することは不可能だと考えています。

スウェーデン版のレオパルト 2とドイツ版のレオパルト 2A7Vの防御力の違いについて、スウェーデン版の方が勝っているため、これは非論理的だと思われるかもしれません。これは、これらの戦車のスウェーデン版が、車体と砲塔の両方に、独自に製造された完全に新しい強化装甲パッケージを受け取ったという事実によるものです。そして、この事実は、入札時のテストで得られた装甲のデータによっても確認されています。

同時に、現在のレオパルト 2A7Vの防御レベルは、ゲーム内で登場する120mm~125mmのAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)に対して、正面領域の大部分が防御されていることにも留意していただきたいと思います。また、レオパルト 2A6よりも若干低い砲塔防御については、~2%~5%以内の耐久性における僅かな差は、この戦車の防御力に影響することはなく、車体の形状の違いによるものです。近い将来、私たちはレオパルト 2戦車のDMを更新し、些細な相違を修正する予定です。

また、一部のプレイヤーの皆さまは、『War Thunder』のレオパルト 2A7Vの防御力が「B」パッケージに基づいていると考えていることについても、別途言及したいと思います。私たちが持っているデータによると、これは事実ではありません。スウェーデンの入札による装甲抵抗図から判るように実装されたパッケージD-2をパッケージBと組み合わせ場合、600mmの装甲貫通力を有するAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)に対し、正面装甲の45%しか防御できません。しかし、ゲーム内では異なる装甲防御パッケージが提示されていることにより、このタイプの脅威から正面装甲の65%以上を防御することができます。


D-2の追加キットを備えたBパッケージに基づくレオパルト 2I(改良型)の防御力:600mmの装甲貫通力を持つAPFSDSに対して55%以上の装甲が脆弱

 


『War Thunder』の装甲マップ:600mmの装甲貫通力を持つAPFSDSに対して35%以下の装甲が脆弱

 

 

アリエテ・メルカバ・ルクレール用のスポールライナー

 


現在、私たちはアリエテ主力戦車用のスポールライナー(Spall Liners:飛散防止内張り)を研究および追加作業を行っています。これらの戦車には将来のアップデートで実装していく予定です。

メルカバシリーズの主力戦車に関しては、これらの戦車にはスポールライナーが装備されていないとの情報を確認しています。私たちは、オープンソースからの情報を調査しましたが、メルカバの戦闘区画の側面に鋼鉄以外の装甲要素は確認できませんでした。

また、現時点では、ルクレールシリーズの主力戦車でスポールライナーが採用された前例について、オープンソースからの信頼できるデータは見つかっていません。

バトルレーティング12.7の航空機

 


私たちはデータを注意深くモニターしており、現時点では航空機のバトルレーティング(BR)の閾値を12.3から12.7に引き上げる必要はないと考えています。何故なら、JAS39 グリペンを除くすべての新しい航空機の現在の効率は、以前導入されたバトルレーティング(BR)12.3の航空機と同じレベルだからです。グリペンに関しては、フライトモデルを見直しているため、この変更適用後の効果を観察していきたいと思います。

トーネード IDS WTD61

 


また、私たちはトーネード IDS WTD61の兵装選択肢を拡大しないことを決定しました。これは、この航空機が照準ポッドと誘導爆弾を搭載できるかどうか、確信が持てないためです。ただし、この航空機のパフォーマンスは気を付けて見ているため、必要に応じて他の変更を加える予定です。

今後の開発ブログにおけるテーマ

 


最後に、チャレンジャー2シリーズの主力戦車について、私たちは皆さまから寄せられた報告に対応しており、これらの問題の多くはすでに修正されています。近日中にこれらの戦車に関するいくつかの質問に対する回答を発表する予定です。さらに、スティンガーとミストラル携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)のパラメーター変更に関する開発ブログも近日公開予定のため、そちらのニュースにもご注目ください。


 

The War Thunder Team