『War Thunder』:レイトレーシング改良!


本記事では、VFXチームより大型アップデート「ホーネッツスティング(Hornet's Sting)」で行われたレイトレーシング技術に関する改良点を紹介します。

2024年の末にお約束した通り、レイトレーシング技術を最適化するための取り組みを行っています!まず、GPUのメーカーに関わらず、すべてのPCでレイトレーシングを有効にすることが可能になりました。AMD RDNA™やインテル® Arc™をお使いの皆さまも、レイトレーシングのすべての機能をお楽しみいただけます。また、PlayStation®5でもレイトレーシングを利用していただけるよう作業を続けています。

コードにいくつかの変更を加えたことで、レイトレーシングのパフォーマンスが大幅に向上しました。

  • 木の葉を通り抜ける光線の軌跡を再設計したことで、森を通過する際のパフォーマンスが向上しました。
  • レイトレーシングの結果を処理する際に用いるデノイザー(ノイズ除去技術)を更新しました。新しいバージョンでは、同じ品質を維持しつつ、速度が大幅に向上しました。
  • 新たな影の品質設定を追加しました。これは大きな変更点です。「低」設定では、投射される光線の数が以前の半分になり、「中」設定では場合にもよりますが、完全に照らされた、または影に覆われたエリアにおいて、30~50%の光線が除去されます。これは大きな進歩であり、特にTSR、DLSS、XeSS、FSRといった高度なテンポラルアンチエイリアスを用いている場合、「低」設定であっても「高」設定との差はわずかになります。これらのアンチエイリアスは、それほど高度でない手法と比べて負荷が大きいことは確かですが、ネイティブの解像度とアップスケーリング時の両方において、画質の面で上回ります。また、「低」設定では高負荷のシーンにおいてもパフォーマンスが低下しにくいです。




  • あまり違いが分かりませんか?その通りです。前述したように、「低」設定では「高」設定(アップデート以前に使用されていた)と比較してリソースの消費が半分になります。

    これらすべての改善によって、レイトレーシング効果のGPUへかかる負荷が全体で20~25%削減することができます。

    レイトレーシングが適用される建物の窓についても変化しました。レイトレーシング実装当時、窓は鏡のようになっていましたが、改良を重ねたことで、より自然で物理的に正しい見た目になりました。





    変更前


    変更後



    また、レイトレーシングが不安定になり、GPUやゲームのクラッシュに繋がっていた複数のコードパスを特定しました。これらの問題が大幅に減少し、レイトレーシングがより安定したものになりました。

    今回は以上です!これからも改良を行っていきますので、今後の最新記事にご注視ください。



    The War Thunder Team