デヴォアティーヌ D.501：忘れられない失ったもの

D.500シリーズの航空機は、1930年にフランス航空省が発行した仕様書C1に応えて開発されました。
この仕様書は主に、第一次世界大戦時や1920年代の旧型のフランスの航空機を現代的な設計に取り替えるために作られました。
有名な航空機設計者のエミール・デヴォアティーヌが提案したD.500の設計は、すぐに航空省大臣の目に止まりました。
その直後の1932年にD.500は初飛行を行い、1933年には60機の発注を受け、そのうちの10機がD.501となりました。
D.501はD.500の派生型の一つにすぎません。
これらの最も大きな違いは、動力装置と武器です。
D.500はイスパノ・スイザの12Xbrsエンジンを搭載していた一方で、
D.501は12Xcrsエンジンを搭載していたため、プロペラの中心部に20mm機関銃を装備することができました。
この変更により、D.500の先端部分に装備されていた機関銃が元の配置から取り外されました。
今日では、20mm機関砲一門を一組の機関銃と組み合わせることは可笑しく思われるかもしれませんが、
当時は航空機に機関砲を搭載することは贅沢であると考えられていました。

第二次世界大戦が始まった時、D.500シリーズの航空機は、
MS.406などの1930年代のフランスの航空機を含む他の国の航空機よりも劣っていました。
この航空機が第一線で活躍することはほとんどなく、
フランス空軍の予備の航空機や指導の役割の航空機として使用されていました。
しかし、少数の航空機がスペイン内戦中で限定的に活躍したことが確認でき、恐らくこれが戦闘で使用された唯一の航空機の記録となります。
製造されたD.500シリーズの航空機は400機を下回り、そのうちの約160機はD.501でした。