アップデート1.53での視界に関する説明
2015-10-08 20:00
お知らせ
アップデート1.53「ファイア・ストーム(Fire Storm)」でDagor Engine 4.0へと変更され、地上車両や航空機の視界の改良により、
ゲームに大幅な変更が施されました。詳しくご紹介します。
Part I. 空中での視界について
航空機の視界はどのように定義付けされているのでしょうか?「実在のものより視界が良好だ」や、「Xキロメートル離れた場所でも、航空機のシルエットが確認できる」、「ゲーム内ではYはより鮮明(または不鮮明)で、実在よりより鮮明(または不鮮明)だ」などとプレイヤーの皆様からよく言われます。目で見るよりも音で聞く方が、より簡単に航空機に気付くことができます。風がなく、天候が良好な状態では、エンジン音は10-12 km離れた場所から聞こえますが、双眼鏡なしで航空機を目視できるのは、8-10 kmの距離となります。
目視で航空機の距離を定義付けするには、下記の項目が考慮に入れられています:
現実世界で、遠くにある物が何かを、そしてどのように見えるのかを理解するためには、まず人間の視界が一般的にどのように働き、
画面上ではどのように画像がレンダリングされ、様々な物がどのように表示されているのかを理解する必要があります。
人間には、約160x130度の視界があります。角度の解像度:1-2′(約0,02°-0,03°)では、1 kmの距離で約30-60 cmに相当します(目は、目に見えている物を光で感知し、脳は時間変動する「簡潔な」情報を使って画像を再生成するため、これは非常に大まかな解釈となっています)。
死角では、私たちの視界は大幅に小さくなり、ほとんどのものが動き、見えている物が粗くなってしまいます。すぐ目の前の物は(私たちの視力が優れていると仮定すると)よく見え、私たちには~40度の視野角があります。
ちなみに、現時点での最高のモニターは、平らな画面上に約30度の角度がある、60fpsの~4096 × 3112で動作します(動作させるためには非常に強力なハードウェアが必要となります)。全体的に見ると、輝度範囲を考慮に入れなければ同じ角度での人間の目の解像度は劣っていないことになりますが、目は数倍の角度を感知します。つまり、モニターは私たちの世界とバーチャル世界を繋げる、単なる「窓」なのです。プレイヤーの圧倒的大多数は、1920x1080の解像度、または60-90 fps以下でゲームをプレイしています。つまり、私たちが目視で見える物よりも非常に低い解像度となるのです。バーチャル世界を見るための私たちの「小さな窓」である目も概して、少し曖昧でよりぼんやりしたものとなります。モニターにはたった256輝度しかありませんが、実際の目ではその数倍の輝度を感知することができるのです。
また、人間の目は速度、つまり物体の移動を完全に知覚することができ、ただ輪郭を知覚するよりも、物体の移動を知覚することの方が優れています。しかしフルHDモニター上では、距離が離れている航空機の移動が最もわかりやすくなるものは、「エイリアシング」と呼ばれる、(MSAAが対処しようとしている)ピクセルの出現と消失です。レンダリング技術の進化により、ゲーム内の世界はより詳細となり、対照的で詳細に描かれた背景上で、たった4ピクセルで作られている物体を見分けることは、より難しくなりました。
ほとんどのゲームモードにおいて特定の距離で表示されるマーカーは、プレイヤーのためにモニターの技術的な不完全さを補うための特別なインターフェース要素であるため、実際に認識され知覚されるコンタクトは、明るい色のオブジェクトとして表示されています。現実世界での現代の武力衝突では、このような「味方/敵」を区別するマーカーはパイロット(または戦車兵)のハイテクヘルメットの重要な要素となっています。このようなヘルメットは時々、ゲームにおいて見られるような同じ問題を解決することがあり、戦車兵やパイロットがより簡単に生存できるようになり、外部カメラの解像度や、ヘルメット自体のディスプレーにある欠点を補ってくれるのです。
しかし実際には、ゲームがデジタルビデオカメラよりもより実物に近づくように行った多くの作業のおかげで、パイロットの頭上のアクションカメラよりは優れたものとなっています。よりリアルなものにするため、航空機がどこにいるかがわかる、長距離での「コンタクト」は全く表示されません。しかし、コンタクトが表示されない地点より手前の距離では、航空機が非常に見えづらくなる瞬間がありますが、
結局のところ、たった数ピクセルの差です!しかし、この要素は航空機の位置や操縦性を補うため、「コンタクト」や「フライ」によっては補われていません。このような(「中」)距離では、マーカーがなければ、航空機は非常に簡単に視界から消えていたのです。
これらの変更をプレイヤーの皆様自身の目でご確認いただき、
アップデート1.53「ファイア・ストーム(Fire Storm)」での改良点を楽しんでいただけることを願っています。
The War Thunder Team
ゲームに大幅な変更が施されました。詳しくご紹介します。
Part I. 空中での視界について
航空機の視界はどのように定義付けされているのでしょうか?「実在のものより視界が良好だ」や、「Xキロメートル離れた場所でも、航空機のシルエットが確認できる」、「ゲーム内ではYはより鮮明(または不鮮明)で、実在よりより鮮明(または不鮮明)だ」などとプレイヤーの皆様からよく言われます。目で見るよりも音で聞く方が、より簡単に航空機に気付くことができます。風がなく、天候が良好な状態では、エンジン音は10-12 km離れた場所から聞こえますが、双眼鏡なしで航空機を目視できるのは、8-10 kmの距離となります。
目視で航空機の距離を定義付けするには、下記の項目が考慮に入れられています:
離れている距離(メートル) | 双眼鏡で確認できるもの | 目視で確認できるもの |
8,000-10,000 | 点の形のシルエット。 | 航空機は見えない。または、小さい黒い点として見える。 |
6,000-8,000 | 航空機のシルエット。詳しくは見えない。 | ぼやけた点の形のシルエット。 |
5,000 - 6,000 | 航空機のシルエット。詳しくは見えない。 | 航空機のシルエット。詳しくは見えない。 |
4,000 | 1. 航空機の表面と機体のぼやけた輪郭。 2. エンジンの数とその位置。 |
航空機のシルエット。詳しくは見えない。 |
3,000 | 1. 航空機の表面と機体の形。 2. 尾翼のぼやけた輪郭。 3. エンジンの数とその形。 |
1. 航空機の表面と機体のぼやけた輪郭。 2. エンジンの数。 |
2,000 | 1. 国家が識別できるシンボル。 2. 機体表面間の支柱。 3. 尾翼の輪郭。 4. 着陸装置とその形。 5. 銃座の機関銃。 6. 爆弾ラック。 |
1. 航空機の表面と機体の形。 2. 尾翼のぼやけた輪郭。 3. エンジンの形。 |
1,000 | 1. 国家が識別できるシンボル。 2. 柱、筋交い、支柱。 3. 銃座の機関銃。 4. 爆弾ラック。 |
1. 国家のシンボル。 2. 機体表面間の支柱。 3. 着陸装置とその形。 4. 尾翼の輪郭。 5. エンジンの形。 |
500 | 1. パイロット(キャビンが開封している場合)。 2. 遠隔アンテナ。 |
1. 柱、筋交い、支柱。 2. エンジンの形。 3. 着陸装置の形。 4. 識別できるシンボル。 |
現実世界で、遠くにある物が何かを、そしてどのように見えるのかを理解するためには、まず人間の視界が一般的にどのように働き、
画面上ではどのように画像がレンダリングされ、様々な物がどのように表示されているのかを理解する必要があります。
人間には、約160x130度の視界があります。角度の解像度:1-2′(約0,02°-0,03°)では、1 kmの距離で約30-60 cmに相当します(目は、目に見えている物を光で感知し、脳は時間変動する「簡潔な」情報を使って画像を再生成するため、これは非常に大まかな解釈となっています)。
死角では、私たちの視界は大幅に小さくなり、ほとんどのものが動き、見えている物が粗くなってしまいます。すぐ目の前の物は(私たちの視力が優れていると仮定すると)よく見え、私たちには~40度の視野角があります。
A、Bと書かれた四角のマスは同じ色のマスです。AとB、どちらのマスが暗く見えますか?どちらのマスも全く同じ色なのですが、影や隣同士のマスの色との対比により、脳が異なる解釈をします。 |
上記とは別に、私たちの瞳孔は絶えず動いており、見えている物全体を「スキャン」しています。この機能により、私たちが全く見ることができない「盲点」と呼ばれる知覚情報が補われています。見えている物を認識し、その物体の色、形、位置を再構築する脳の働きによって、死角内にある物に気が付くことができないように、私たちは盲点も見ることはできません。 私たちには2つの目があるため、目の前にある近くの物については、脳は見ている物体のサイズや位置を把握します。これは「両眼視」や「立体視」と呼ばれます。両目によって物を把握できる理論上の制限は1 kmですが、ほとんどの場合、約100~300メートルかそれ以下になってしまいます。しかし片目を閉じても見えている物は変わらず、すぐに平面になってしまうことはありません。これは脳の働きによるものです。 それと同時に、ゲームカメラでの距離などにおいては、キャラクターは通常、数ピクセルのサイズで調整されています。厳密に言うと、目には1億2,000万の単色と500万色のレセプターがありますが、脳に流れてくる動画の情報のレセプター数は少なくなります。これは、30メガピクセルで1秒間に75フレームの動画が流れてくるのとほぼ同じです。 |
ちなみに、現時点での最高のモニターは、平らな画面上に約30度の角度がある、60fpsの~4096 × 3112で動作します(動作させるためには非常に強力なハードウェアが必要となります)。全体的に見ると、輝度範囲を考慮に入れなければ同じ角度での人間の目の解像度は劣っていないことになりますが、目は数倍の角度を感知します。つまり、モニターは私たちの世界とバーチャル世界を繋げる、単なる「窓」なのです。プレイヤーの圧倒的大多数は、1920x1080の解像度、または60-90 fps以下でゲームをプレイしています。つまり、私たちが目視で見える物よりも非常に低い解像度となるのです。バーチャル世界を見るための私たちの「小さな窓」である目も概して、少し曖昧でよりぼんやりしたものとなります。モニターにはたった256輝度しかありませんが、実際の目ではその数倍の輝度を感知することができるのです。
それにも関わらず、実質的すべてのゲームには、約90度でのゲームの解像度を有しています。これは、~130度の視覚がある人間の目と、物のサイズを正確に知覚できる視界30~40度の間の何らかの妥協点となるのです。この妥協点が引き起こす最も顕著な物が、すべてのサイズにおける知覚の崩壊です。例えば、人気のゲーム『カウンターストライク』では、大半のマップは200メートルを越えることはありませんが、この距離は、大半のライフル銃で狙いを定めた攻撃の距離よりも短く、さらには、スナイパーライフル銃を使用した時の距離よりも短いものとなっています。 ゲームカメラは、GoProのようなアクションカメラによるイメージを連想させます。確認してみたいのであれば、YouTubeではそのようなカメラで撮られた様々な動画を簡単に見つけることもできます。たった数メートルを人々がどれほど小さく見ているのかを見てみてください。 必然的に、そのような視野角においてのフルHDモニター上での4 km先の航空機は、約4ピクセルの幅、0.5ピクセルの高さしかありません。言い換えれば、視界から消えてしまうのです。2 km先でも、航空機の翼の薄さは1ピクセルよりも少なくなり、機体も約1ピクセルとなります。つまり、通常のゲームカメラでは、航空機は2 km先では点滅して消えてしまい、4 km先では完全に消えてしまうということになります。MSAA 4X技術を使用すれば、理論上では、非常に小さい値とはなりますが、航空機は最大2x kmで見えるようになります。 |
この画像をよく見てみてください。 マリリン・モンローが見えてきます。 |
薬の色は何色でしょう? |
もうおわかりかとは思いますが、ゲーム内で物を「現実世界のように」表示することは非常に困難です。なぜなら、視野角を犠牲にすることなく、人間の鋭い目で知覚したように、物体を技術的に2倍以上の質で再現することは不可能だからです(ゲームカメラの視野角を、人間の目の実際の解像度とほぼ同等にするゲーム内の「ズームイン」は全く同じです)。この理由により、ほとんどのゲームにおいては、ゲーム内の物体に特定のトリックを使用しているのです。 アップデート1.53までの『War Thunder』では、航空機のこのようなトリックは、「コンタクト」(または「フライ」)と呼ばれており、特別なオブジェクトが視覚の接点を表示させていました。コンタクトは、航空機が消え始め、1ピクセル以下に縮んでしまう距離や、(航空機のサイズ、カメラの視野角、モニターの解像度に応じた特定の距離の)サブピクセル、「コンタクトの消失」が発生(これは様々な要因によって異なりますが、通常約8-12 kmです)する直前によって描写されています。 |
ほとんどのゲームモードにおいて特定の距離で表示されるマーカーは、プレイヤーのためにモニターの技術的な不完全さを補うための特別なインターフェース要素であるため、実際に認識され知覚されるコンタクトは、明るい色のオブジェクトとして表示されています。現実世界での現代の武力衝突では、このような「味方/敵」を区別するマーカーはパイロット(または戦車兵)のハイテクヘルメットの重要な要素となっています。このようなヘルメットは時々、ゲームにおいて見られるような同じ問題を解決することがあり、戦車兵やパイロットがより簡単に生存できるようになり、外部カメラの解像度や、ヘルメット自体のディスプレーにある欠点を補ってくれるのです。
このマーカーを、現代の武力衝突に存在しているようなものでわなく、「現実世界でパイロットが情報を感知する方法である」というアイディアにできる限り近づけるために、オブジェクトが直接太陽の影にあるかは関係なく、視界の状況、光、霧、雲、(現実世界では、地面を背景にした航空機を見つけるのがさらに難しい)地平線からの相対的な高さ、パイロットの特性などに応じてマーカーが表示されるようになっています。アップデート1.53では、これらすべてのメカニクスが、プレイヤーの皆様のために更新、改良、明確化されましたが、この点についてはまた別の機会にお話しします。 第二次世界大戦を最大限に反映して設計されているシミュレーターバトルには、マーカーは存在しません。無関係な要素によって、実物そっくりなゲームモードを台無しにすることを避けるためです。これと同時に、現実世界で兵器を見つけることはより困難であり、より正確なものにするために、パイロットの頭上に取り付けられたアクションカメラを通して、現実世界の衝突を見ているような気持ちにさせてくれます。 | 両方のテーブルの表面は全く同じものです。 |
結局のところ、たった数ピクセルの差です!しかし、この要素は航空機の位置や操縦性を補うため、「コンタクト」や「フライ」によっては補われていません。このような(「中」)距離では、マーカーがなければ、航空機は非常に簡単に視界から消えていたのです。
アップデート1.53で第三人称視点からF4Uを見た時の、距離1.5 km と2 kmの比較 |
アップデート1.53では、中距離での航空機に対して特別な詳細レベルが作成されています。 実際には、ゲームは航空機を他の視点から高解像度(スーパーサンプリングアンチエリアシング)で表示しているため、航空機が視界から完全に消えてしまうことはありません。 さらに、中距離での航空機は小さく見えますが、気付くには十分な大きさのままとなり、航空機の形や輪郭が表示されなくなることはなくなります。光と光の拡散の点においてマップがよりリアルになり、長距離での対比が少なくなったこの新しいレンダリングに加え、空中戦においてターゲットを追跡及び検知できる機能が大幅に改善され、より自信を持って戦闘を行えるようになりました。 空中戦のファンの皆様が、この革新的なコンセプトを気に入ってくれることを願っています。 また、動態イメージの範囲が8-16倍拡大しました。これにより、以前より短い距離(最大1キロメートル)で 航空機の翼のわずかな光が、近くにある光っていない表面と調和する前に事実上「消失」していましたが、 敵の航空機の位置や飛行状況をより正確に検知することができるようになりました。 |
これらの変更をプレイヤーの皆様自身の目でご確認いただき、
アップデート1.53「ファイア・ストーム(Fire Storm)」での改良点を楽しんでいただけることを願っています。
The War Thunder Team