基本プレイ無料ゲームにおける経済と進行の構築について

 

 

親愛なるプレイヤーの皆さま!『War Thunder』の経済と進行がどのように機能しているのか、多くの疑問や視点をお持ちのことでしょう。これらの回答に最適な人物として、開発会社Gaijin Entertainmentのクリエイティブディレクターであるキリル・ユディントセフ(Kirill Yudintsev)より説明します。


プレイヤーのプレイによる進行システムは、ゲームにとって不可欠です。一度にすべてを与えることはできません。もしそうしてしまえば、プレイヤーはコンテンツに圧倒され、プレイが大変なことになってしまい、遅かれ早かれゲームから離れてしまうためです。これは私たちが、何度もさまざまな方法で実証してきたことです。『War Thunder』においては、ほとんどの場合、現代的な兵器であればあるほど、操作面・性能面・戦術面を学びながら、プレイするのが徐々に難しくなるよう設計されています。ゲームに進行システムを導入することで、プレイヤーに段階的な学習やゲームへの興味を促すことが可能です。このメカニクスなくして、ゲームはプレイヤーを惹きつけることはできません。

また、全体として、プレイヤーはゲーム進行を加速させるために対価を消費するため、進行システムはゲームが収入を得る基本的な機能の一部となっています。

有料ゲームとフェアプレイであるF2P(Free to Play:プレイ無料)ゲーム間の根本的な違いは、基本プレイ無料ゲームを遊ぶために費用を負担する必要はなく、実際に多数のプレイヤーは金銭を支出していないことです。『War Thunder』のプレイヤーの大部分(約80%)は、何か月または何年かプレイしながらもゲームに課金したことがありませんが、ゲームに課金したことのあるプレイヤーの多くも、毎月(あるいは毎年)課金しているわけではありません。それでも、ゲームのメンテナンスや開発、サーバー、サポートなど全てのサービスは、課金しているプレイヤーによって支えられ、提供され続けています。

どのようなゲームでもプレイヤーは楽しいと感じれば、そのゲームをプレイします。しかし、F2P(Free to Play:プレイ無料)ゲームでは、プレイヤーはゲームが本当に面白かった場合にのみお金を費やします。プレイヤーが遊んでいて、心が躍ったと感じたり、ゲームを支えたいと思ったりした時や、何か新しいことを試したい時に出費しますが、ゲームを楽しむために必ずしも資産を投じなければならないというわけではありません。そうでなければ、お金を費やすこともなく、ただプレイしなくなるだけでしょう。

そのため、結果的にではありますが、ゲームをプレイするのに必要な費用が少なければ少ないほど、より多くの異なる価格帯の有料オプションが用意されるべきだと考えています。そうすることで、軍資金に余裕のある方はより多くの選択肢から選ぶことができ、課金できない、またはしたくない方は無料でプレイを楽しむことができるのです。

F2P(Free to Play:プレイ無料)ゲームには、多くの経済と進行のオプションがありますが、『War Thunder』は歴史上の戦闘兵器を扱うゲームであり、強さや能力に差があるため、そのすべてが私たちのゲームに適しているとは言えません。

『War Thunder』の経済と進行における一般的な原則を簡単かつ大まかに要約すると、次のようになります:

  • ・兵器は、より簡素で古いものから、より複雑で新しいものへと段階的にアンロックする
  • ・「高ランク帯」の兵器を最初に手に入れるまでにかかる合計時間は、長すぎず短すぎずないようにバランスを調整する
  • ・プレイに慣れるまでのゲームの最初の段階は、十分な頻度で新しいゲーム内アイテムを入手できるようにする
  • ・サービスを維持するために、ゲームは収入を得る必要があります。それと同時に、お金を費やさなくても無期限にプレイ可能であるようにし、有料の壁がない状態で、収益を上げなければなりません。これによって、完全にはゲームが「無料」ではありませんが、「無料」ゲームと宣伝しているということに齟齬は生まれません。収入により様々なモードと機能を備えたマルチプレイヤーゲームを遊ぶ機会が、すべての人へ提供されるべきです。
  • ・経済と進行は、バトルに参加する兵器に可能な限りの多様性を持たせることもできます。多様性なくしては、ただ退屈なだけです。ただし、ゲーム内通貨や経験値を稼ぐ行為いわゆる「ファーミング」用の兵器が多すぎてはいけませんし、特にそれらの兵器が統計的にバトルで優位な場合はなおさらです。そうでなければ、バトルには人気の高い同じような兵器しか登場しなくなるためです。
  • ・これだけ多数の兵器やモードが実装されたゲームで、ゲーム内経済を手作業で調整することは不可能であり、特定の規則性に従うことが重要です。人の力だけで変更した場合、兵器の効率性に矛盾が生じ、ある兵器が「弱い」ものになる一方、他の兵器が平均よりも優れてしまうことで、バトルでの出現率に影響を及ぼします。

  • 上記の理論に基づいて、経済は(統計に基づくアルゴリズム的に)「調整」しています。


    新しい兵器が現行ツリーに追加されていくため、数年に一度世界全体で見直しを行い、それ以外は大きな規模ではありませんが、蓄積された統計データを基に経済を「修正」しています。

    現在の経済および進行システムは、ゲーム内経済の原理として機能する唯一のシステムではありません。例えば、ランダム性に基づいたシステムやプレイヤー間で仮想オブジェクトのやり取りを利用したシステムも存在します。しかし、これらのオプションに関連するさまざまなプラットフォームの制限を考慮するまでもなく、このような大幅な変更が好意的に歓迎される可能性は低いでしょう。結局のところ、私たちのコミュニティは、現在の経済と進行を基本原理として受け入れているプレイヤー、あるいはむしろそれを好むプレイヤーによって構成されていると言えます。

    つまり、ゲームとプレイヤーに大きな影響を与えることなく、変更可能な主要キーパラメーターは、技術ツリーのトップに到達し、ライン全体を完成させるまでの合計時間を見直すことだという結論に至りました。そのために、改造の研究速度や修理及び獲得のバランスなどに対する微調整をいくつか加えています。このような見直しはすでに3回実施しており、まもなく次の見直しを行う時期が来たと考えています。この作業には何週間も要するため、恐らく今夏の後半には計画した変更点を紹介できるかと思います。

    私たちは、自分たちの考えのみでなく、皆さまからのご提案を積極的に採り入れたいと考えています。しかし、全く新しい進行システムへと入れ換えることは、例え私たち自身が望んだとしても、それが多くのプレイヤーの皆さまに受け入れられるとは思えません。進行システムに対する取り組みは、今後も継続的に別な解決策があるか模索に努め、皆さまからのご提案も必ず検討いたします。

     

    https://xkcd.com/1172/
    (※注釈:CHANGE IN VERSION 10.17の不具合報告例・・・あらゆる変更が誰かにとって環境を崩してしまう)

 

 

開発者とのコミュニケーション方法について


開発会社Gaijin Entertainmentの開発者たちとのコミュニケーション方法について少しだけ触れておきたいと思います。多くのプレイヤーの皆さまもご存知の通り、私たちは過去に何度も予定していた計画や適用した大小様々な変更(経済や進行システムを含む)の取り止めを行ってきました。これらは、Reddit上のスレッド(欧米の英語圏コミュニティにおける主な交流場所)やフォーラム上のスレッド、公式サイトに掲載された記事へのコメント欄をチェックし、判断しています。私たちは、アップデートや変更内容そのものを優先するのではなく、プレイヤーの皆さまと『War Thunder』のゲームを第一に考えています。もし、コミュニティの大多数がアップデートに反対している場合、私たちは直ぐにそれを取り消し、または元に戻します。賛成派と反対派が分かれてしまった場合、私たちは「Do No Harm(害を与えてはならない)」という概念を遵守し、現状維持を保ちます。

もちろん、Steam上のレビューも意見する場の一つだと考えていますが、新規プレイヤーのほとんどは星の数のみに注目し、レビューの本文を読み、実際に書かれている内容を確認する人はごく少数でしょう。つまり、意図的に評価を下げる行動を行った場合、新規プレイヤーのこれから『War Thunder』を始めてみようという意欲を奪い、ゲームに悪影響を及ぼしてしまう可能性があるだけでなく、残念ながらレビューに記載した問題内容が認知されることはありません。ゲームにいるプレイヤーたちへ危害を加えるつもりがないのであれば、例えば、フォーラム上にフィードバックを残すなどといった他の手段を利用していただければ幸いです。現在、専用アンケートフォームでは、特にゲーム内経済に関する意見要望や質問提案を募集しています。評価を下げたとしても、ゲーム内の価格が変動あるいは消滅することはありません。ゲーム自体のサービスが維持できなくなることになれば、誰も得をしないでしょう。

正式サービス開始から何年も経ったゲームで革命的な変更を根本的に行うことは、多くのプレイヤーのゲームプレイに多大な影響を与えてしまうため、非常に困難な決断となります。私たちは、「Do No Harm(害を与えてはならない)」という基本概念に従い、慎重にゲームに変更を行っています。しかし、ある話題が多くのプレイヤーからの賛同を得ている場合、私たちはその実現に尽力します。今後も、皆さまから寄せられるフィードバックをより一層注視し、ゲームの開発計画を策定していく中で、それらを可能な限り考慮することをお約束します。

もしも、まだご不明な点などがある場合、公式サイトの専用アンケートフォームにてお尋ねください。将来的に全ての不安を取り除けるよう努めて参りますので、よろしくお願いいたします。


 

The War Thunder Team